5p-症候群とは
5p-症候群とは、常染色体である5番染色体の遺伝子に欠損・異常をきたすことによって引き起こされる、染色体疾患の一つです。出生時の泣き声が甲高く猫のようであることから、別名「ねこなき症候群」とも呼ばれています。
5p-症候群の症状
5p-症候群の特徴的な症状は、・誕生した際の体重が健康な新生児と比較して少ないこと:低出生体重(2,500 g未満)
・頭部の大きさが小さめで、かつ、耳の位置が一般的な位置よりも低いこと:小頭、耳介低位
・身体に力が入りづらく、弛緩したような状態を示すこと:筋緊張低下
・顔が丸く、あごが小さいこと:丸顔、小顎
・左右の目の間隔が広いこと:内眼角贅皮
・鼻の横幅が比較的長いこと
・斜視があること
などの、身体的、外見的な特徴が出現することで知られています。
また、新生児期から乳児期に認める甲高い猫のなき声のような泣き声は、高頻度に認められる特徴的所見であります。
5p-症候群の原因
5p-症候群が発症する原因は、常染色体にある5番目の染色体短腕部分が欠損することです。また、両親の遺伝子が転座してしまうことが原因である場合も、10%ほどあります。多くは前者が発症の原因となっています。染色体異常は出生前の段階で起こりますので、5p-症候群は先天性の疾患ということになります。
独特の泣き声や丸い顔など、いくつかの特徴は成長過程で消失していきますが、原因である遺伝子の変異は治癒することはなく、場合によっては重篤な障害を残すこともあります。5p-症候群を発症する割合はおおよそ15,000~50,000出生に1人とされ、また精神発達の遅れを示す患者350人に1人の割合を占めるとされています。
5p-症候群の治療法
5p-症候群は、先天性の疾患ですので、予防する方法はありません。しかし、年齢が小さいときに起こりやすい痙攣様の症状などは、痙攣薬を使用して抑えられる可能性があります。また、身体面や精神面の成長は健康な児童と比較すれば大きく遅れてしまうことになりますが、成長につれて簡単な家事をこなすことができるようになったり、言語を話したりすることができるようになります。
成長には個人差がありますが、言語に関しては早期の段階で言語療法を開始することでほとんどの児童が可能になります。
年代ごとに注意すべき合併症が異なりますので、それに応じた治療や対応が必要となります。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください