症状

耳介血腫は、耳介の皮膚と軟骨の間に血液がたまった状態で、耳介前側上部のが腫れや青赤色の丸い腫瘤が認められることが多いです。
  
耳介血腫の内容液は、発症当初は血性の赤色液体ですが、しだいに黄色透明の液に変化していきます。最初は、自然に内容液が吸収されることも多く、そのまま治癒する場合もありますが、腫れがひどい場合は、針を刺して、内容液を除去する必要があります。一度の穿刺では効果不十分な場合は、何回か繰り返したり、切開して排液したりする場合があります。
  
内容液を除去した後は、再発を防ぐために、ガーゼタンポンなどで患部を圧迫し、内容液が再び溜まらないようにします。感染症を防ぐため、抗生剤を使用することもあります。

原因

耳介血腫が主に外傷によって起こります。耳介の組織は、皮膚と軟骨の間の皮下組織が少ないため、柔道や相撲、レスリングなどの格闘技で耳介を打ち付けたり、強く圧迫したりした場合や、球技などでボールが強く当たったりした場合などに出血し発症します。打撲や強い圧迫等の、原因となる理由が思い当たらないにもかかわらず、耳介血腫を発症する場合もあります。
  
一度治った場合でも、繰り返し同様の刺激が起こると容易に再発します。耳介血腫を繰り返す中で、しだいに耳介血腫が瘢痕化し、耳介の変形が起こります。柔道耳、相撲耳などと一般的にいわれるものです。こうなると、元の形状に戻すためには形成術が必要になってきます。

治療法

治療は上記でお話していますが、予防が大切になってきます。
耳介血腫の予防は、耳介に、打撲や圧迫などの強い刺激を与えないようにすることです。
 
格闘技やスポーツを行う際には、可能であれば、ヘッドギアやイヤーガード、ヘルメットなどを装着して、耳介を外的刺激から守ることが一番です。また、運動前に、マッサージクリームなどを使用して、耳介をよくマッサージし、耳介を柔らかくしておくことも有効な場合があります。