腎硬化症の症状

良性腎硬化症は本態性高血圧症のある中年以降の人に多く、高血圧や尿の異常で見つかることも少なくありません。自覚症状は、肩こりや動悸、めまいなどですが、症状が見られないまま進行することもあります。症状が進行すると腎臓の機能が低下して腎不全を起こし、むくみ、倦怠感、食思不振、貧血、息切れなどの尿毒症の症状が見られるのが特徴です。
  
悪性腎硬化症は比較的若年層に多く見られ、急激な血圧の上昇により腎機能が急速に悪化して尿毒素を引き起こし、激しい頭痛、嘔吐が現れます。まれに意識障害、けいれん発作、うっ血性心不全、視力障害など、全身にわたる臓器症状が現れ、死に至ることもあるため注意が必要となります。

腎硬化症の原因

良性腎硬化症は、高血圧により腎臓の細小動脈の病変が長期間にわたり徐々に硬化して引き起こされます。高血圧には、腎疾患や糖尿病、心疾患などの二次的要因により引き起こされる場合と、原因の分からない本態性の高血圧があり、高血圧のほとんどは本態性によるものです。
  
本態性高血圧の原因は不明ですが、危険因子として遺伝子因子とストレス・喫煙・飲酒などの環境因子が考えられ、その中でも塩分の過剰摂取が最大の影響を及ぼしています。
  
悪性腎硬化症はあらゆる要因で引き起こされた高血圧が急激に悪化することで発症します。また、血圧を上昇させるホルモンや遺伝的要素も関係していると考えられていますが、はっきり分かっていません。

腎硬化症の治療法

腎硬化症の予防に大切なのは、高血圧の予防です。特に原因の分からない本態性高血圧の場合は、危険因子の排除を優先します。
  
最も効果的な方法は、適度な運動と栄養バランスのとれた正しい食生活になります。適度な運動をすることで高血圧になりやすい肥満体質が改善でき、血圧を下げる効果もあります。有酸素運動を定期的に行うとより効果的です。食生活で最も気をつけなければならないのは「塩分の過剰摂取」です。減塩を心がけ、植物性たんぱく質や食物繊維など高血圧に効果のある栄養素を摂取するようにします。