尿道狭窄の症状

後天性の尿道狭窄では、排尿に時間がかかったり、いきんでも尿が滴るほどしか出なかったり、残尿感が残ったりするなど、排尿困難が多く見られます。また、頻尿になることもあります。
  
膀胱内に尿が残ると、尿路感染症、尿路結石、尿路憩室、腫瘍などを起こしやすくなるため注意が必要です。排尿困難が続くと、尿路全体に尿が滞ることで水尿管症や水腎症を引き起こし、また、腎機能の低下が現れます。
  
先天性の尿路狭窄では、尿道が狭くなることで尿の流れに乱れや逆流が生じ、尿道から膀胱へ細菌が侵入しやすくなり、膀胱炎などの発症リスクが上がります。また、膀胱尿管逆流症、頻尿、遺尿などの症状も見られます。

尿道狭窄の原因

後天性尿道狭窄は、尿道の外傷や炎症が原因で尿道が狭くなり発症する疾患です。
 
外傷性では、尿道カテーテルや尿道からの内視鏡手術などによる尿道粘膜の損傷、騎乗型損傷や交通事故による骨盤骨折などにより尿道が断裂することが原因で発症します。炎症性では、尿道炎の後遺症として尿道壁が瘢痕性の収縮を起こすため発症します。淋病や結核に起因しますが、現在ではほとんどが淋病によるものです。しかし、先進国ではあまり見られなくなっています。
  
先天性尿道狭窄では、胎生7週で破れて開口する尿生殖膜が残ることが原因と考えられているようです。

尿道狭窄の治療法

尿道狭窄では、先天性・後天性ともに予防が困難な疾患といえます。
狭窄が1カ所のみで狭窄長1cm未満の場合は、まず、尿道拡張や内尿道切開術が行われます。
一方、1.5cm以上の狭窄がある場合は、内尿道切開術の再発率が70%以上であり、尿道形成術がすすめられます。また、1.5cm未満でも再発を繰り返す症例では、尿道形成術がすすめられます。
また、少しでも兆候が見られたら早期治療を心がけることが大切です。