レジオネラ症/在郷軍人病の症状

レジオネラ症の肺炎型では2~10日の潜伏期の後、全身倦怠、易疲労感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状が現れます。咽頭痛や鼻炎などの症状は見られませんが発症数日で膿性痰が現れ、発症3日以内に悪寒を伴う高熱を生じます。全経過で逆行性健忘症、昏睡、頚部硬直などの精神・神経学的異常が現れるのが特徴です。胸部に異常が現れると重篤状態となり死に至ることもあります。
  
ポンティアック熱型では、38時間前後の潜伏期の後、悪寒、筋肉痛、倦怠感、頭痛が現れ、6?12時間の内に悪寒を伴う発熱を生じます。その他に、悪心、下痢、腹痛、関節痛、咽頭痛などが見られますが、治療をしなくても回復することが多いです。

レジオネラ症/在郷軍人病の原因

レジオネラ症は、レジオネラニューモフィラという細菌で汚染された水や空気中の微粒子を吸入することでで発症しますが、感染源の特定は困難とされています。
  
レジオネラ菌は自然界の土壌や淡水に広く存在し、日常接する機会が多くなりますが、健康体であれば感染することはありません。しかし、免疫力が低下している人や新生児、高齢者、病人などは感染しやすいため注意が必要です。
  
近年では、共同温泉を通じたり、一般家庭の循環式浴槽や入浴施設の水循環装置・浴槽を通じての発症や、空調冷却水を通じての発症が報告されています。また、超音波式加湿器や水道の蛇口、シャワーヘッド、園芸用のたい肥などを通じて感染した例も見られます。

レジオネラ症/在郷軍人病の治療法

レジオネラ症の予防には、水がレジオネラ菌で汚染されないようにすることが重要です。特に、空調等の冷却塔、気泡発生装置付き浴槽、加湿器、噴水、散水器、シャワーヘッドなどは気をつけなければなりません。
  
冷却塔は薬剤を使用して殺菌や増殖を防ぎ、内部の 汚れをブラシなどで洗浄すると効果的です。清掃時にはマスクなどの保護具を着用した方がいいでしょう。シャワーヘッドなどは定期的な塩素殺菌が必要です。庭の手入れでは鉢植え用培養土の飛散に注意し、手袋をして作業を行うことが勧められます。