心サルコイドーシスの症状

軽症の場合、心電図に異常が見られる程度の不整脈ですが、脈が遅くなったりとんだりするのを自覚するようになると注意が必要です。心筋の収縮力低下に伴い心不全が現れると、息苦しさ、動悸、むくみなどが見られることもあります。
  
心サルコイドーシスは初期に発見できれば進行を抑えることができますが、病初期の診断法が確立されていないためなかなか発見できないのが現状です。不整脈は心室性の徐脈性不整脈や、心房から心室に刺激がとどかない房室ブロックなどが見られます。
  
重症化すると洞不全症候群などの致死的不整脈や重症心不全を誘因し、突然心臓マヒを起こすこともあるため注意が必要です。

心サルコイドーシスの原因

心サルコイドーシスは心臓に類上皮細胞肉芽腫と呼ばれる肉の塊のようなものができる疾患ですが、肉芽腫ができる原因は判明していません。また「肉の塊」といってもがんのような悪性疾患ではありません。原因には諸説ありますが、いずれも確証はされていません。
  
主に考えられているのは以下の説となります。
・何らかの抗原物質にさらされることで誘導される過敏性免疫反応に起因する説
・嫌気性細菌であるアクネ桿菌に起因する説
・環境刺激に対する免疫反応に起因する説
  
ただ、心臓に病変が現れる心サルコイドーシスはサルコイドーシスのなかでも5~10%です。

心サルコイドーシスの治療法

心サルコイドーシスは原因不明の難病の一つであるため予防するのは困難ですが、初期症状である不整脈が見られる場合は早めに医師の診断を受ける必要があります。心サルコイドーシスが疑われる場合、この疾患特有の異常所見である「心室中隔基部の菲薄化」の有無を心エコー検査で調べます。また、肺サルコイドーシスと区別するための検査も必要となります。
  
進行によりさまざまな治療法が確立されていますが、突然死の危険がある怖い疾患となるため早期発見・早期治療を心がけるのが重要です。