ウェゲナー肉芽腫とは
ウェゲナー肉芽腫とは、肉芽腫を伴う全身性血管炎のことをいい、以下に分類され、40〜50歳代に多く発症します。1.鼻、耳、眼、上気道、肺の壊死性肉芽腫性血管炎2.腎の巣状分節性壊死性糸球体腎炎3.全身の中・小型動脈の壊死性血管炎
ウェゲナー肉芽腫の症状
ウェゲナー肉芽腫は、通常、食欲不振、倦怠感などの全身症状とともにさまざまな症状が見られます。上気道では膿性鼻漏、鼻出血、中耳炎、視力低下、眼充血、眼痛、眼球突出、咽喉頭痛、嗄声などの症状が現れ、肺では血痰、咳嗽、呼吸困難などを生じます。腎症状として血尿、乏尿、浮腫などが見られ、上気道、肺、腎の順に症状が現れることが多いです。しかし、すべての症状が現れるわけではなく、個々で症状の出方は異なり、また、障害される臓器により異なります。全身的な血管炎の場合は多臓器で症状が見られることがあるため注意が必要です。一般的に、上気道と肺の症状からなる限局型とすべての症状が見られる全身型にわかれます。
ウェゲナー肉芽腫の原因
ウェゲナー肉芽腫は、原因や病態が判明していない難病として厚生労働省の特定疾患に指定されています。ウェゲナー肉芽腫の患者の血液中にANCAという自己抗体が顕著に見られるため、発症や進行との関連が考えられています。
上気道からの細菌感染により発症したり、細菌感染で再発が見られたりすることが多く、感染症がウェゲナー肉芽腫の増悪因子の可能性があるため注意が必要です。感染に対する免疫作用が何らかの原因で誤作動を起こし、自己免疫疾患に結びついたものだと考えられています。
親族内での発症ケースも見られますが、遺伝子によるものかどうかを含め、いずれも正確に判明している原因はありません。
ウェゲナー肉芽腫の治療法
ウェゲナー肉芽腫は、予防は困難ですが、感染がきっかけとなることも多いため、手洗いやうがいなど感染を予防することも大切となります。症状が多岐にわたり診断が難しい疾患ですが、早期に発見できれば治療は可能となるため、早期発見・早期治療に努めることが重要となります。
治療は、免疫抑制剤や副腎皮質ステロイド剤による免疫抑制療法で寛解に向かわせ、寛解した場合は少量で維持していきます。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください