胆嚢摘出後症候群とは
胆嚢摘出後症候群とは、胆石や胆嚢炎などの病気により、胆嚢を摘出する手術を受けた後であるにもかかわらず、まだ胆嚢が残っているかのように、胆石の発作などに似た症状を感じる病気のことを指します。原因としては、胆道の運動に異常があるためと考えられています。
症状
胆嚢摘出後症候群の症状は、胆石の発作や胆嚢炎の症状とよく似ていることが特徴です。具体的には、上腹部の痛み、発熱、吐き気などのような症状が現れ、それらが持続する場合もあります。便秘や下痢、腹部の圧迫感や膨張を感じる場合もあります。胆嚢摘出後症候群は胆嚢を摘出した方のうち、5~40%の方に見られる病気とも言われていますが、いずれも他の内臓疾患が原因で起こる症状とも共通するため、胆嚢を摘出した後にこれらの症状を感じた場合であっても、胆嚢摘出後症候群であると決めつけず、専門の医療機関でさまざまな検査を行うことが大切です。
原因
胆嚢摘出後症候群のような症状が起こる原因は、胆嚢摘出手術を行ったことにより、胆汁がうまく流れなくなり、胆管などの内圧が上がるためであると考えられていますが、その他にも下記のような要因により上述の症状が現れる場合があります。・胆管結石の取り残し、再発生
・胆道に空気が入り込んでいる
・十二指腸乳頭が狭くなっている
・細菌感染が起こっている
いずれの原因により症状が出ているか調べるためには、血液検査や超音波検査、MRIなどさまざまな検査を行うことが必要です。また、他の内臓疾患が原因となっている場合も考えられるため、胃や十二指腸などについても検査を行います。
治療法
胆嚢摘出後症候群を予防するための確実な方法はありません。胆嚢を摘出する手術を受けたにもかかわらず、胆石や胆嚢炎のような症状を感じることがあった場合には、他の臓器に疾患があるために症状を感じる場合もありますので、すみやかに手術を行った医療機関に相談することが必要です。早めに病気を見つけることで、早期に適切な治療を受けることが可能となり、症状の改善につとめられます。胆嚢摘出後症候群の治療には、主に胆汁の流れをよくするための薬が使われます。
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