掌蹠角化症の症状

掌蹠角化症の主な症状は、手のひらや足の裏の肥厚(腫れたように分厚くなること)が挙げられます。遺伝子の異常で生じることもあり、変異した遺伝子の種類によって症状が他にもみられる場合があります。
  
下記に一例を取り上げます。
・ウンナ・トスト型…手のひらや足の裏の多汗
・メレダ型…手のひらや足の裏以外にも過角化が起こる
・先天性爪甲厚硬症…爪の甲や爪の下にも過角化が起こる
・亜型ボーウィンケル症候群…指や背中に星形の角化性紅斑が現れる
  
これらの症状のほとんどは乳幼児期に発生します。また、上記の遺伝子変異のタイプ以外には、掌蹠角化症のほかに疾患のある場合も存在します。

掌蹠角化症の原因

掌蹠角化症は遺伝子の変異を原因とする病気であり、変異の起こる遺伝子にはケラチンK1、ケラチンK9、カテプシンC、ロリクリンなどさまざまなものが挙げられます。しかしながら、原因遺伝子が不明なタイプも未だ存在しているため、日本では掌蹠角化症は難病に指定されています。
  
パピヨン・ルフェーブル症候群や点状掌蹠角化症、線状掌蹠角化症などに分類される掌蹠角化症の場合には、手のひらや足の裏の過角化のみならず、合併症として歯周病や易感染症、心筋症、悪性腫瘍などの疾患が存在している場合もあるため、皮膚科の専門医に分類を見極めてもらうことが非常に重要です。

掌蹠角化症の治療法

遺伝子変異が原因であるため、掌蹠角化症を予防する確実な方法はありません。他の合併症を有している場合もあるため、早期の発見と確実な診察が必要になります。そのため、症状に気付いた場合にはすみやかに皮膚科の専門医を受診することが大切です。
  
治療法としては、10%サリチル酸ワセリンなどの塗り薬を患部へ使用することで鱗屑の除去を行ったり、また物理的に角質を削り取ったりなどが一般的に行われます。場合によっては、外科手術などで植皮を行うなどの治療も考えられます。