右胸心の症状

・孤立性右胸心
心臓が通常より右側に位置している以外の内臓位置異常を伴わない場合を特に孤立性右胸心と呼びます。ただし、この場合は心奇形や肺低形成など、心臓と関係の深い臓器の形成異常を起こしている場合が多く見られます。肺の形成異常を合併している場合は、呼吸困難などの症状が見られます。
  
・鏡像型右胸心
心臓が正常な位置とは鏡像を示すように位置している場合を鏡像型右胸心と呼び、この場合は他の臓器も正常な位置とは左右が反転しています(完全内臓逆位)。合併症は少ないとされていますが、機能不全などの重篤な症状が起こる場合もあります。

右胸心の原因

先天性の疾患であり、遺伝子の異常によるものではないかとする説もありますが、明確な原因は不明です。
  
右胸心以外の臓器形成異常や内臓逆位を起こしていない場合は、症状が現れない場合も多いですが、胸部X線撮影や心電図などを用いることで右胸心の診断は可能です。また心奇形やその他の内臓逆位を起こしている場合は、そちらを原因として症状が出る場合があります。
  
内蔵の位置が通常とは異なる患者の手術経験が少ない医師が多いため、右胸心や、同時に内蔵逆位を起こしている人が、何らかの病気あるいは事故による外科的手術が必要となる場合は注意が必要です。

右胸心の治療法

右胸心は原因のわからない先天性の疾患のため、確実に予防する方法は確立されていません。
   
右胸心として生まれてきても心臓や他の臓器に奇形が見られない場合などには特に症状を感じることもなく、日常生活も問題なく送れる場合が多いです。しかしながら上述したように、急に手術が必要となる場合を想定し、当人や周囲の人が右胸心であるということを知っておくのは大切です。子どものうちから診断をきちんと受けておくことが大切です。