ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは、黄色ブドウ球菌から生み出される毒素が皮膚を侵襲し、広範囲にやけどのような表皮の剥離が起こる疾患です。ほとんどの場合、6歳未満の乳幼児に起こり、特に生後1ヶ月以内の新生児が発症した場合は重症になりやすい危険な病気です。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の症状
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の症状としては、新生児の場合は高熱が、乳幼児の場合は風邪のような症状とともに微熱が出ることが多く、目や口の周囲が赤くなります。目やにも出やすくなったり、のどや首のリンパに腫れが起こることもあります。また首のまわりや、わき、へその下の部分などにも紅斑が出るようになります。その後水ぶくれができ、やけど様になり、触れると痛みを伴い、こすると容易に剥離します。これらの症状が出ている間は、脱水や食欲不振などの症状も見られるようになります。
また、二次感染も起こしやすくなります。
新生児や免疫不全がある場合は非常に重症化しやすく、注意が必要です。
一般的には紅斑はおよそ10日が経てば消失し、首から手に向かって徐々に皮膚がむけはじめ、3~4週が経つと治療により治癒する経過をとりやすいです。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の原因
のどや鼻の粘膜を通じて感染した黄色ブドウ球菌から産生される、表皮剥離性毒素が血流にのって全身の皮膚に達することで、上述したブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の症状が起こります。黄色ブドウ球菌の表皮剥離性毒素による病気には、他に伝染性膿痂疹がありますが、こちらは感染した部位にのみ水泡が生じるため、全身にやけどのような皮膚症状の現れるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群と比較すると比較的軽症です。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の治療法
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群において、特に低出生体重児などは重症化しやすいため、接する場合は手洗いを徹底させることが大切です。また、周囲を清潔に保つことが必要です。
感染に気付いた場合、疑わしい場合にはすぐに受診します。特に子どもの場合、抗生物質の投与等の治療を適切に行えば、予後は良好な場合が多いです。点滴などの全身管理を行い、保湿など塗り薬を用いることもあります。重症化しないためには早期発見が重要です。
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