外陰がんとは
外陰がんとは、大陰唇・小陰唇・陰核・会陰などに代表される女性の性器の外陰部にできるがん(悪性腫瘍)を指します。 ほとんどが扁平上皮がんですが、女性に発生するがんの中でも3〜4%と低い割合を占める、稀な病気です。
外陰がんの症状
初期の外陰がんでは、症状に気付かない場合も多いです。徐々にかゆみが続くようになり、腫瘤の形成が起こります。やがて腫瘍が形成されると、多くの場合はこのしこりに気付いて病院を受診するようになります。排尿時に灼熱感を抱いたり、激しい痛みを感じたりする場合にも外陰がんの可能性を考えます。他にも、慢性的にうずくような痛み(疼痛)を感じる場合があります。月経とは無関係の出血を起こしたり、おりものに血が混ざっていたりする場合にも、外陰がんの可能性がありますので、外陰部に異変を感じた場合にはすぐに婦人科を受診するとよいです。
外陰がんの原因
外陰がんの原因はいまだにはっきりとは分かっておらず、不明な点も多いのですが、大きく分けて二つの原因があるのではないかと考えられています。一つは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染をきっかけに発症する場合です。HPVは子宮頚がんの原因としても考えられているウイルスで、この場合は主に若い人に多く発症するとされていますが、HPVに感染したすべての人ががんになるわけではありません。
もう一つは、外陰委縮症や硬化性苔癬(こうかせいたいせん)など、他の外陰部の炎症性疾患が原因となっている場合です。常に炎症にさらされているため、細胞ががん化しやすいのではないかと考えられています。
外陰がんの治療法
原因がはっきりしていないため、外陰がんを予防する確実な方法はいまだ確立されていません。外陰部に違和感を覚えても、恥ずかしさのため婦人科を受診できない女性も多く存在します。しかし、外陰部にはリンパ節が多く存在するため、初期のがんであっても、外陰からリンパ節への転移が多く起こります。癌の転移を防ぐためにも、まずは外陰がんの早期発見が大切です。外陰部にかゆみやしこりを感じたら、早めに婦人科へ相談に行くことを勧めます。
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