肺胞蛋白症とは
肺胞蛋白症は、肺の空気を入れる部分(肺胞腔)の表面を覆っている肺サーファクタントに異常が起きて息切れや呼吸困難などが起きる病気です。原因がわからない一次性のものと、白血病などの血液疾患やHIV感染症など感染症による二次性のもの、先天性のものがあります。治療は肺胞を洗浄法です。
肺胞蛋白症の症状
肺胞蛋白症の症状は、主に息切れが挙げられます。特に、安静時はほとんど息苦しくなく、何かしらの活動(階段をのぼる等)を行った時だけ息をするのが苦しくなる(労作性呼吸困難)のが特徴で、徐々にそれがひどくなってきます。その他にも、倦怠感や体重の減少が起こることがあります。粘り気のある痰が出たり、チアノーゼを起こすことがあります。中には症状が全くない人もおり、X線検査などで初めて気づく場合もあります。
発症が疑われた場合は、レントゲン、CT、血液検査や気管支肺胞洗浄などを行い診断を確定させます。
肺胞蛋白症の原因
肺胞蛋白症の原因は、肺胞腔に肺サーファクタントが大量にたまることが原因です。新しい肺サーファクタントを作り、古いサーファクタントを分解していく機能をつかさどる顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)というのがあります。そのGM-CSFに何かしらの異常が起き、機能を果たせなくなってしまうのが要因だと考えられています。しかし、まだはっきりと原因はわかっていません。肺サーファクタントの機能が低下することで、肺でガス交換がうまくできなくなり、息切れなどを起こしてしまいます。肺胞蛋白症は、原因がわからない一次性の人が最も多いです。
肺胞蛋白症の治療法
肺胞蛋白症の原因はまだ不明な部分もあり、予防法は確立されてはいません。肺胞蛋白症の発生率はそれほど高くありませんが、その中でも30~50代の男性喫煙者が多いのが特徴です。発症に気づいた場合は、まずは禁煙を行うことが非常に大切です。また、手洗いうがいなどをしっかり行って、感染症の予防に努めます。特に粉じんのある場所で働いている人は、マスクの着用を徹底します。さらに、肺や呼吸器の感染症を回避するために、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を行うようにします。
症状がひどい場合は、全肺洗浄やGM-CSFというお薬の使用などを行うこともあります。
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