臀部慢性膿皮症/慢性化膿性汗腺炎の症状

臀部慢性膿皮症の初期の症状は、肛門や臀部ににきびのような赤いしこりやできものができることから始まります。次第にその数が増えていき、できもの同士が融合していくことで範囲を広げていきます。膿が出てくることもあります。症状が進んでいくと、皮膚が赤黒くなり、凹凸のある瘢痕などがあらわれるようになります。
  
症状が出るたびに切開して膿を出したり、抗生物質などで炎症を抑えたりすることができますが、しばらくすると再感染を起こし、さらに範囲を拡大するようになります。臀部慢性膿皮症の症状は、普通のできものと変わらないことが多いので、診断がつかないまま過ごす人も少なくないです。

臀部慢性膿皮症/慢性化膿性汗腺炎の原因

臀部慢性膿皮症は、ブドウ球菌、連鎖球菌が皮膚に感染することで起こります。これらの菌は、多くの人の皮膚上にいるものですが、皮膚が弱っているときなどに感染を起こすことがあります。
  
アポクリン腺炎や毛嚢炎などの疾患が引き金になる場合もあります。特に痔瘻が感染巣となることは多く、臀部慢性膿皮症罹患者の6割近くは痔瘻を罹患しているといわれています。
  
治療は、原則は病巣を切除します。病変部の範囲や深度などによって切除方法は異なります。重度の場合は切除後に皮膚移植を行う必要があります。痔瘻がある場合は、その手術も行います。

臀部慢性膿皮症/慢性化膿性汗腺炎の治療法

臀部慢性膿皮症は、自然治癒する疾患ではありません。病巣を取り除くことが必要になります。そして、初期の段階であれば切除も簡単です。繰り返すしこりのようなできものがある場合、または、肛門周辺から分泌物などが出ている場合も早めに医療機関にかかるようにします。
   
臀部慢性膿皮症は中長期的な治療が必要です。信頼できる医師の指示にしたがい、悪化と再発の防止に努めるようにします。