肺サルコイドーシスの症状

サルコイドーシスは全身性疾患でその病変が肺に出た場合、肺サルコイドーシスといいます。肺サルコイドーシスの症状は、全身に現れる肉芽腫疾患の一部であるため、関節や皮膚などの初発症状から、少しずつ症状が移行し、肺へ病変を形成していくのが特徴といえます。
  
目の症状としては、視界にゴミのような小さなものが見えるというものや、皮膚は痛みを伴わない赤い斑点など、部位によって違った症状が現れます。その他、リンパの腫れや、皮膚結節、筋肉の結節なども初期症状として見られる症状の一部で、発熱、体重減少、倦怠感など多岐に渡ります。
  
肺に病変が移行すると咳や胸の痛み、呼吸困難などが代表的な症状として知られていますが比較的、呼吸器症状は乏しいことも特徴です。

肺サルコイドーシスの原因

肺サルコイドーシスは、免疫反応やアレルギーが原因という説もありますが、明確な原因は解明されていません。そのため、原因究明のための研究が進められています。
  
カビやほこり、バクテリアを根源とする考えやウイルスも要因の一つではという考えもありますが、実証されておらず、原因は分かっていません。遺伝要素や体質的問題など、明確になっていない部分が多数あるため、症例を元に研究が続けられています。
 
感染症ではないため、人から人へ感染する心配はありません。サルコイドーシスは国の難病指定に認定されている難病として、研究が続けられています。

肺サルコイドーシスの治療法

肺サルコイドーシスは、原因不明の難病であり、明確な予防法は確立されていません。関節や皮膚などの初発症状から病変が肺へ移行していくため、眼や皮膚などの症状から病院を受診し、病状の発見に至るケースもあります。定期的に健康診断を受診し、異変を感じた場合は早めに専門医を受診することが重要です。
   
また感染症ではないため、神経質になりすぎず、医師の指示を仰ぐことで、約50%が自然治癒している症例も報告されています。
重症例ではステロイドや免疫抑制剤が用いられることがあります。