外鼠径ヘルニアの症状

外鼠径ヘルニアは、立ったときや腹圧がかかったときに太もものつけ根部分に柔らかい膨らみができます。指で押すと引っ込みます。軽い症状では、出たり引っ込んだりします。軽い痛みや違和感、便秘などの症状を伴うこともあります。

症状が進むとヘルニアが大きくなり、男性の場合は最終的に陰嚢に入り込むこともあります。ヘルニアが引っ込まなくなった場合や、膨らみが急に硬くなって痛みを感じた場合などは、早めに受診してください。重症例でヘルニアが嵌頓を起こすと、腸閉塞などを起こし生死に関わる場合があります。

外鼠径ヘルニアの原因

外鼠径ヘルニアの原因は、幼児の場合は先天的なものです。男児は出生前に睾丸が鼠径管を通って陰嚢内に降りますが、そのとき腹膜の一部が突起状に伸びます。これを腹膜鞘状突起と言います。この突起は、睾丸が陰嚢内に収まったら自然に閉じるものですが、閉じない場合があります。ここに小腸などが飛び出してくることが幼児の場合の原因となります。

成人の場合は、加齢による鼠径部の筋膜の衰えから、鼠径管の入り口部分の筋膜が弱くなることで発症します。特に職業的に力仕事が多い人や強く咳やくしゃみをするなど腹圧のかかることが多い人によく見られます。腹圧がかかったときに、筋膜が弱くなった場所から筋膜が袋状に鼠径管に飛び出し、そこに小腸などが入り込みます。

外鼠径ヘルニアの治療

外鼠径ヘルニアの治療は、主に手術です。患者さんの状態に合わせて、切開法か腹腔鏡手術を行います。

外鼠径ヘルニアの予防

外鼠径ヘルニアは、幼児の場合は先天性であることが多いため予防することはできません。成人の場合は、40歳以上の男性で力仕事をする人や前立腺肥大、咳をよくする人などは発症しやすいことを自覚しておくとよいでしょう。

外鼠径ヘルニアは、男性と比べると女性には少ないです。しかし、妊婦や便秘症、肥満などの場合は、発症リスクがあります。肥満や便秘は解消して、腹圧をかけないように咳をするなど生活習慣を見直しましょう。