線維性骨異形成の症状

骨の内部は通常海綿骨という繊維性の柔らかい組織と脂肪組織からできています。
しかし、線維性骨異形成になると骨が作られる過程で骨の内部が繊維性の柔らかい組織と未成熟な骨組織になってしまいます。1カ所にだけできる単発性と2カ所以上にできる多発性があります。

病変自体は痛みや強い変形が現れるものではないですが、成長に伴い骨が脆くなると病的骨折や変形による骨の出っ張りが現れることがあります。好発年齢は10~20歳代で好発カ所は大腿骨、脛骨、肋骨、頭蓋骨、顎骨です。顎骨に発症すると歯列形成や噛み合わせに問題が出ることがあります。視神経周囲の骨に発症すると視力障害が起こることもあります。良性の疾患ですが、多発性の場合はまれに悪性転化する場合もあります。

線維性骨異形成の原因

線維性骨異形成を起こすはっきりとした原因は不明ですが、細胞内伝達機構のGタンパクという物質が異常を起こし、骨の形成に障害を起こすと考えられています。そのため骨が正常な骨を作れなくなり繊維性組織の脆弱な骨となってしまいます。

線維性骨異形成の20%くらいが多発性と言われています。多発性の時に、思春期早発症と皮膚のカフェオレ色素班を伴う場合はオルブライト症候群(マッキューン・オルブライト症候群)と呼ばれる難病と診断されます。この場合Gタンパクの形成に関わる遺伝子に異常がある事がわかっています。ただし遺伝疾患である可能性は確認されていません。

線維性骨異形成の治療法

線維性骨異形成がなぜ起こるかという原因はわかっていないため、予防法はありません。この病気は基本的に良性の疾患であるため、単発性で痛みや病的骨折、変形がなければ特に治療の必要がなく経過観察のみ行います。

痛みや病的骨折の可能性がある場合は手術により病変部を取り除き、必要あれば骨移植を行います。多発性の場合も痛みや変形の強い個所が手術の対象となりますが、病変部が広範囲にわたるうえ再発も多いため基本的には変形の矯正を中心に行います。