新生児敗血症(早発型敗血症・遅発型敗血症)とは
新生児敗血症(早発型敗血症・遅発型敗血症)は、新生児の血液中に細菌が入り込み様々な症状を引き起こす病気です。生後72時間以内に発症する「早発型敗血症」と、以降に発症する「遅発型敗血症」に区別され、胎児がお腹の中にいた期間が短い程、発症確率は高いといわれています。
新生児敗血症(早発型敗血症・遅発型敗血症)の症状
早発型敗血症の主な症状は・元気がない
・乳をあまり飲まない、もしくは全く飲まない
・低体温
などがありますが、大人と比べて非常にわかりづらいという特徴があります。
母親のお腹の中にいる期間が短い早産児はさまざまな免疫システムが未熟なため新生児敗血症を発症する危険性が高いとされています。早発型は生後72時間以内に起こるものでショック状態、チアノーゼ、呼吸障害など急激に容態が変化することが多いのが特徴です。
一方、遅発型敗血症は早発型に比べて症状の変化がゆっくりとしています。現れる症状としては
・一時的な呼吸の停止(無呼吸)
・顔色が青白い
・手足が冷たい
・腹部に腫れがみられる
・下痢、嘔吐、けいれん発作
など様々です。
どちらも死亡の原因となりやすいです。
新生児敗血症(早発型敗血症・遅発型敗血症)の原因
新生児敗血症の原因以下のようになります。早発型は母親の胎内にいる時に下記のような経路によりなんらかの細菌に感染したことに起因します。・胎内時の経胎盤からの感染:サルモネラ菌、リステリア菌、結核菌など
・羊水や産道通過時の経産道からの感染:B郡溶連菌、大腸菌など
遅発型敗血症は生後72時間以上が経過してから発症しますが、周囲の環境によることが多くさまざまな微生物が原因となります。
・動脈内および静脈内のカテーテルからの感染
・鼻もしくは口からの挿管チューブや人工呼吸器などからの感染
・周囲からの細菌感染
など外部環境からの感染によります。
新生児敗血症(早発型敗血症・遅発型敗血症)の治療法
新生児敗血症の予防法として、母体からの感染であるB郡溶血性連鎖球菌による敗血症を防ぐため、抗生物質を母親に投与することで発症を予防します。以前にもB郡溶連菌による敗血症の子どもを出産したことがある場合や妊娠中にB郡溶連菌が検出された女性に抗生剤が投与されます。
特定のハイリスクな新生児が出生した時に状況によっては「免疫グロブリン」という抗体を静脈内に投与することもあります。
治療は、厳格な全身管理と抗生剤の投与などが行われます。
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