愛情遮断症候群とは
「愛情遮断症候群」とは子どもが愛情を感じられずに育った結果、発達や成長に遅れなどが現れる病気で、乳幼児に多く見られます。親からの愛情を感じられない極度のストレスから、発育に必要な成長ホルモンが睡眠時に分泌されなくなってしまうことから起こるといわれています。
症状
愛情遮断症候群は一時的に成長が遅れたり停滞したりします。代表的な症状としては
・表情が乏しい
・動作が緩慢
・知的発達や言語能力の障害
・睡眠障害
などがあります。
また親の養育方法により子どもに現れる細かな症状は異なります。
・必要な栄養を与えられていないことによる栄養障害-身長体重の伸びが悪い、やせている、お尻がへこんでいるなど
・不適切な子育てによる身体の外見-おむつかぶれ、服が汚れている、肌が汚れているなど
・行動異常-目を合わせない、かんしゃく、抱かれるのを嫌がるなど
このように子どもらしい反応が見られなくなるのが特徴です。
原因
愛情遮断症候群の要因は子どもに対する母性愛が不十分であることが原因です。その理由には様々なものが考えられます。・入院、死亡、離婚など母親不在の場合
・うつや精神的な病気であるなどの母親の心理状態が不安定である場合
・薬物中毒や知的障害など十分な養育ができていない場合
ストレスを受けている子どもは心から安らいでぐっすり眠ることができません。子どもが成長するために必要な成長ホルモンは睡眠時に分泌されますがストレスにより睡眠が妨げられることでこの分泌が止まってしまいます。この結果、子どもに身体的や知的な発育に遅れが出ると考えられています。
治療法
愛情遮断症候群は、母性愛を十分に受けることができない子どもに対して、母親に代わって父親や親に代わる養育者が十分な愛情を注ぐことで防ぐことができます。また、ストレスの少ない環境で年齢にあった十分な栄養を与えることで成長の遅れを取り戻すことができます。
しかし虐待やネグレクトなど保護者の養育に重大な問題がある場合、ケースによっては保護者と子どもを遠ざけることも必要です。入院で治療を受けさせたり施設で養育したりすることで遅れていた成長が改善されることもあります。
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