黄体嚢胞とは
「黄体嚢胞」とは排卵可能な卵巣をもった女性に発症する病気です。 通常、排卵後に卵巣にできる黄体内に液体が溜まった状態をいいます。 月経周期に伴って血液などの液体が溜まり、吸収しきれずに卵巣内に残った血液が黄体血腫となり嚢胞化してしまいます。 嚢胞が破裂した場合には、中の液体が腹腔に漏れるため腹痛がおこります。
黄体嚢胞の症状
「黄体嚢胞」は軽度の場合ほとんど症状は現れません。このように症状がない場合では時間をかけ次第に吸収されて消滅してしまいます。しかし、無理な性交などによる外傷や激しい運動によって排卵による出血が止まらないことで嚢胞が破裂し、腹腔内に大量の出血をすることや茎捻転(けいねんてん)することがあります。このような時に現れる症状としては
・腹部に急激な痛みを感じる
・吐き気や嘔吐
などがあります。
特に症状が激しい場合には腹部に激痛が起こることやショック状態に陥ることもあります。救急車で搬送され外科で受診すると、卵巣出血・急性腹症・腹腔内出血と診断され緊急手術を要する場合が多くあります。
黄体嚢胞の原因
「黄体嚢胞」は排卵をすることができる卵巣を持っている10代から閉経期ごろまでの女性であれば誰でも発生する可能性のある病気です。排卵では卵胞が破裂することで中の卵子が排出されます。破裂による卵胞の破れが治ると卵胞に液体が溜まり黄体嚢胞ができます。通常であれば数週間のうちに黄体細胞によって液体は吸収され黄体嚢胞は消えてしまいます。しかし嚢胞自体が10cmを超えるような巨大なものである場合や、無理な性交や激しい運動によって出血、茎捻転を起こす場合もあります。黄体嚢胞は卵巣の左または右のどちらか一方で発症することがほとんどです。
黄体嚢胞の治療法
黄体嚢胞は、排卵をしている女性であれば誰もがかかる可能性のある病気で有効な予防法はありません。しかしセロフェンやクロミドといった排卵誘発剤を使用していると発症しやすいとされています。腹部に痛みがある場合でも卵巣の出血が止まっていれば安静にし、頻繁に貧血が起きる時には排卵をとめるなどの処置をすることでしだいに吸収され消滅することがほとんどです。
また妊娠中に発症した場合は12週から16週が経過した後、縮小することがほとんどのため破裂などがなければ経過観察で改善されるとされています。
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