子宮腟部びらんの症状

程度の差はありますが、月経のある女性の大多数に子宮膣部びらんの症状が見られるといわれています。特に女性ホルモンの分泌が盛んになる思春期から成熟期の女性でみられる確率が高くなります。「子宮腟部びらん」の多くは生理的な変化であり病気ではありません。

しかし、炎症を伴う場合には治療が必要になることもあります。びらんは外部からの刺激に弱く細菌などに感染しやすい特性を持っています。このため、びらんの範囲が広い場合やびらん自体に炎症がある場合にはオリモノが大量に出たり、性交時に不正出血をしたりするなどの症状が現れます。こういった場合には炎症を抑える治療がなされます。

子宮腟部びらんの原因

「子宮腟部びらん」を起こす原因はエストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンの作用によるとされています。月経が始まると女性ホルモンのエストロゲンが分泌されます。このエストロゲンによって子宮膣部がふくらみ内側の円柱上皮が外側にめくれてきます。

このめくれてきた部分の円柱上皮には毛細血管が多く見られるために赤く変色して見え「びらん」となるのです。

一方、びらんに炎症がおこるにはいくつかの原因が考えられています。
・性交渉による刺激
・タンポンの使用による接触

またびらんは細菌感染への抵抗力が弱いため炎症を起こしやすいとされています。
子宮頸管炎などの感染症によりオリモノが増加することもあります。

子宮腟部びらんの治療法

「子宮腟部びらん」はいわば生理的に起こることなので効果的な予防策はありません。
炎症などの症状がない場合にはそのまま放置しても問題ありません。
びらんが炎症を起こしている場合、軽度のものは抗生剤などの薬物投与でよくなります。しかし薬物治療で効果がない時には凍結療法やレーザー療法などによりびらん部分を凍結させるなどの処理を行う必要がある場合もあります。
またびらんの症状は子宮頸がんの初期症状と似ています。このため子宮腟部びらんびらんの治療を行う際にはがんの検査を行うことが一般的です。