絞扼輪症候群とは
「絞扼輪症候群(こうやくりんしょうこうぐん)」とは、先天性のもので手足に紐で縛ったような「くびれ(絞扼輪)」がみられる病気です。手足の先天異常であり遺伝性はありません。くびれが強いと切断されたあとのような状態になることもあり、これを「先天性切断」といいます。
絞扼輪症候群の症状
絞扼輪症候群では、手や足に通常よりも深いしわがみられます。軽度の場合は成長とともに改善されることが多く特に問題はありません。状態が重い場合にはくびれのために血行や神経に障害が見られることがあります。
さらにくびれが強いと、手足や指が切断されたような「先天性切断」がみられることもあります。この場合は握る、つまむという手の機能を再建するために外科的な治療が行われることがあります。
くびれの程度はさまざまで同じ手でも場所によって軽度のものから切断状態まで複合的に症状が確認できます。一般的には、くびれより根元に近い部分には異常が見られることが少ないということも絞扼輪症候群の特徴です。
絞扼輪症候群の原因
「絞扼輪症候群」は先天性の手足の病気です。胎児が母体にいる時、手足ができ上がる7週以降におこる異常が原因であるとされています。胎内のことであるため原因は特定されていませんが、くびれの部分に胎児を包む羊膜の成分がみられることから羊膜の一部が手足に絡まることで起こる機械的損傷が原因とされます。なんらかの理由で羊膜の一部が破れ、その羊膜がヒモ状になったものが手足に絡まり締め上げてしまうという説が有力です。
胎内で起こった外的要素によるものであるため遺伝性はなく、薬剤による形成異常でもありません。指同士が融合していることもありますが、その根元部分の構造は正常であることが多いことも特徴です。
絞扼輪症候群の治療法
「絞扼輪症候群」は先天性の病気であるため予防法はありません。しかし生後すぐに見た目でわかる病気であるため診断や治療など早い段階で開始することができます。軽度の場合には治療の必要のないものもあります。「切断」や指同士が融合した「先端合指症」などくびれが深い場合などはそのままにしておくと成長の過程で障害となることもあります。こういった場合には手術による治療がなされることが一般的です。また「絞扼輪症候群」は多くの手術方法が開発されている病気でもあります。
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