下腿コンパートメント症候群の症状

下腿を横断的にみると4つの区画(コンパートメント)で分類されています。「下腿コンパートメント症候群」の症状には慢性型と急性型があります。
スポーツ活動でよくみられる慢性型では
・運動時に疼痛や筋肉のこわばりがある
・下腿にしこりができる
・悪化すると日常でも痛みが出現する
といった症状が現れます。
一方、外傷などで起きる急性型では
・急激な激しい痛み
・筋肉の硬直
・神経麻痺
などの症状があり中でも痛みは鎮痛剤を飲んでも治らない激しいものになります。

慢性型であっても症状が悪化すると急性の症状となる場合があります。さらに症状が進むと組織内の細動脈の血行障害が起き、筋腱神経組織が壊死することもあります。

下腿コンパートメント症候群の原因

「下腿コンパートメント症候群」は下腿の4つのコンパートメントのいずれかで起こります。各コンパートメントには筋肉、血管、リンパ管、神経などの組織が含まれています。スポーツや交通事故などの外傷で生じた筋肉の炎症や出血で組織が腫張します。その結果、コンパートメント内の内圧が上昇し、様々な症状が出現します。

組織内の内圧の上昇が続くと毛細血管がつまり、細動脈の血行障害を引き起こします。慢性型の「下腿コンパートメント症候群」は、過剰な運動により筋肉が炎症を起こしたり、繰り返しの運動により筋肉が肥大することなどが原因となる場合が多く見られます。

下腿コンパートメント症候群の治療法

「下腿コンパートメント症候群」の予防には下腿三頭筋のストレッチが有効とされています。特に運動前には入念なストレッチをすることで筋肉の急激な炎症を防ぐことができます。

また下腿に大きな負担がかからないよう意識して運動することでも予防効果があります。慢性型でも症状が軽度の場合は
・運動を中止する
・アイシングをしながら安静にする
・マッサージやストレッチを行う
などといった保存療法を行うことで症状が軽減されます。
急性型の場合、外傷後などに急速に生じ、組織が壊死すると再生ができないため、迅速な処置が必要となります。