陰茎形成性硬結症の症状

陰茎形成性硬結症の主な症状は、陰茎の皮膚の中に触れると分かる硬いしこりができることです。陰嚢と反対側にできることが多いです。このしこりは、線維性硬結といい、硬い筋状の組織と言う意味です。

急性期には痛みを伴いますが、1年も経つと痛みは自然に改善され、触れても痛くなくなります。

しこりがあるせいで、勃起時に陰茎がしこりのある方向に曲がり、その曲がり具合によっては性交に支障をきたす場合があります。勃起したとき少し曲がる程度から、「く」の字型に曲がってしまう程度までさまざまです。一度完成された変形はそのまま残ってしまうケースが大半です。

診察は触診にて行われますが、陰茎がんとの見極めが困難である場合があります。

陰茎形成性硬結症の原因

陰茎形成性硬結症の根本的な原因は分かっていません。可能性として挙げられているのが、加齢による白膜の退行性変化、過去の陰茎の外傷などです。硬結部に慢性的な炎症像を認められることから、膠原病、血流障害、栄養障害なども原因として指摘されています。また、テストステロン(男性ホルモン)が低い人に多く見られることが報告されています。

陰茎形成性硬結症は、手の小指や薬指の内側の腱がひきつったり、手のひらや足の裏が短縮したりするデュプイトラン拘縮という疾患と一緒に現れることがあります。こちらは長期にわたるアルコール摂取が危険因子の一つであるといわれているため、糖尿病、痛風との関連も疑われていますが、明白は答えは出ていません。治療法は対症療法のみになります。

陰茎形成性硬結症の治療法

陰茎形成性硬結症の根本的な原因がわかっていない以上、それを根絶する様な予防法はありません。一度罹患した場合、手術までする必要がある重症にいたる可能性は低いですが、自然に治癒する可能性も低いです。

軽度の場合、炎症を抑える薬や、しこりのコラーゲンをやわらかくする薬などの、薬物療法でほとんどが治ります。軽症でも重症でも、まず1年は保存的治療がなされます。手術を行っても、しこりが再発したり、以前より悪化したりすることが多いので、早期発見、早期治療開始をするのが最も予後を良くするものととらえられています。