有機リン剤中毒の症状

有機リン剤中毒による症状としては、発汗やよだれといった状態が起きます。さらに、瞳孔が縮小し、筋れん縮の病状が引き起こされます。またさらに、有機リン剤中毒による中毒の病状が強くなると、徐脈や肺水腫、さらには呼吸困難などの病状が現れてきます。こん睡状態に陥り、死亡に至るケースもあります。

有機リン剤による中毒の病状は、大量である場合には急激に重体へと進行します。またさらに、有機リン剤による中毒の特徴的な症状として、一度症状が治まってから数日後に、再び有機リン剤による各種の中毒の病状が強く出てくることもよくあります。そのため、病状が一旦治まったとしても、その後の経過をしっかり観察することが必要です。

有機リン剤中毒の原因

有機リン剤中毒が起きる原因は、体内に有機リンの成分を取り入れることにより起こります。体の中に成分が入ると、酵素であるアセチルコリンエステラーゼと結合します。そのため、酵素の機能が阻害され、各種の中毒症状が起きます。

有機リン剤を体内に取り入れてしまう原因としては、農業で使用する殺虫剤の管理などの問題があります。誤って有機リン剤を飲み込んでしまったり、あるいは自殺などを目的として農薬を服毒することにより、有機リン剤中毒に陥ります。

有機リン剤の殺虫剤は、農業でよく使われるものであるため、この中毒症状が起きる件数も多いです。また、薬剤の形状も、粉剤や粒剤、乳剤や水和剤など、多様な形のものが存在します。

有機リン剤中毒の治療法

有機リン剤中毒に対する予防の方法は、有機リン剤を体内に取り入れないことが何より大切です。そのため、農薬などの管理は徹底して行い、万が一にも誤って農薬を飲み込まないための対策が必要です。

しかし、有機リン剤を飲み込んでしまった場合には、消化管の洗浄を行い、できるだけ農薬を体外に排出することが求められます。

またさらに、ヨウ化プラリドキシムといった中毒に効果がある解毒剤を用います。さらに、対処療法として、呼吸や循環器系の管理を行う必要があります。特に症状が重症である場合には、集中治療室での治療が必要です。