角膜ジストロフィの症状

角膜ジストロフィというのは遺伝性の病気で、角膜に何らかの濁りなどが生じたものです。角膜に顆粒状に濁りが付着するものが多いのですが、格子状や斑状に濁りが出るものもありますし、角膜内皮に沈着するものもあります。

症状は、顆粒状の場合は軽度であれば視力に影響しませんが、混濁が進んでくるとまぶしさが出てきますし、視力に影響が出てきます。格子状や斑状の場合は強い視力障害があらわれてきます。他にも様々なタイプがありますが、いずれも視力には強い悪影響があります。発症するのは両目ともの場合が多く、症状の重さも左右同程度と言われています。

発症年齢はいずれも子どものころからのことが多く、年齢とともに症状が重くなっていくのが特徴です。

角膜ジストロフィの原因

角膜ジストロフィの原因は遺伝的な体質によるものです。そのため、種類によっては原因となる遺伝子まで解明されているものもあるようです。遺伝によって角膜に何らかの濁り成分を沈着させる性質が備わったことによるものと考えられます。

ただ、原因が濁りの成分ということなら、顆粒状の場合はヒアリンというリボタンパクで、角膜が変性してできると言われています。斑状の場合はムコ多糖という細胞の外側で水の循環を支えている物質が集まったものです、格子状も同じようなものが沈着したもののようです。

遺伝的な要素ということになると、角膜ジストロフィの発生は種類と国によって発生度合いが違いがありますが、発生件数が圧倒的に多いのは顆粒状であると言われています。

角膜ジストロフィの治療法

角膜ジストロフィは遺伝性の病気ですから予防することは現時点では困難です。ただ、この病気の多くの種類で原因となる遺伝子が特定されていますから、遺伝子工学の進歩いかんでは将来的に発病を抑制することができるようになる可能性はあります。
現時点では予防というよりも、沈着した濁りをどう取り除くかが課題といえます。方法としては、例えば顆粒状の場合でしたら、エキシマレーザーを使って角膜の濁りを削り取るという治療を行います。ただ、エキシマレーザーの場合は角膜の深部や角膜裏側の濁りを取ることはできません。
このため、視力低下が著しく、エキシマレーザーによる手術も適用が難しい場合は角膜移植しか手段がないのが実情です。