産褥感染症の症状

産褥感染症は主に子宮の感染・尿路感染・乳腺炎などがあります。

出産直後は子宮や子宮周囲に感染が生じやすくなり、感染が起こると、下腹部痛、発熱、悪臭のある悪露などがみられます。

尿路感染では、残尿感や頻尿・排尿時痛の他に、腎盂腎炎などでは悪寒を伴った熱が上がったり下がったりする症状もあります。

乳腺炎は乳腺に異常がみられ、乳汁のうっ帯が起こると、発赤や局所が熱くなったりします。発熱を伴うこともありますが38度前後の事が多く24時間以内には熱は下がってくるのが多いとされています。

産褥感染症の原因

産褥感染症の原因はさまざまです。
子宮の感染は、産褥期に胎盤・卵膜が残っていたり、分娩が長引いたり、何度も内診を行ったり、分娩後に何らかの作用で出血が多かったり、悪露の排出が悪かったりすることで感染するリスクが高くなります。
尿路感染は、長時間の分娩膀胱が麻痺してしまうことから尿意の低下や自分で排尿が出来なくなることで、引き起こされてしまう事も原因の1つです。
乳腺炎は、産後、哺乳が確立できず、乳汁がうっ帯しやすくなることから起こります。

産褥感染症の治療法

産褥感染症を予防するには衛生的な環境が不可欠ですが、現在では自宅分娩ではなく、院内分娩が一般的になっているため減少しています。
子宮の感染に関しては胎盤・卵膜の遺残がないかの確認や内診や縫合処置時の消毒の徹底などで予防することができます。
また尿路感染に関しては水分を十分に取り排尿しやすい環境を作ることも大切です。
乳腺炎では乳汁がうっ帯しないように乳房マッサージを行い要因を取り除いたり熱を感じたらすぐに受診するなどひどくならないように早期に処置することも大切です。
また、産婦本人も出産する時にはこのような感染症があることを知識として覚えておくことも予防につながります。