横川吸虫症とは
横川吸虫症は横川吸虫の幼生を宿したアユやシラウオなどの淡水魚を食べることによってそれが成長し、腸に寄生しておこる病気です。原因ははっきりしているのですが、症状が重くないことと、淡水魚を生で食べるという食文化もあり、淡水魚を生で食べないという対策がとりにくい状況にあります。
横川吸虫症の症状
横川吸虫症は自覚症状のほとんどない病気です。多少下痢が多くなるのですが、寄生している吸虫の数少ない場合は目に見えて下痢の回数が増えるというほどではなく、たいていの方は気がつかない程度のようです。ただ、吸虫の数が多くなってくるとさすがに影響は現れてきます。下痢に加え腹痛がはっきりと表れてきますし、慢性カタル性腸炎という一度かかると治療が難しい病気の原因となる可能性も指摘されています。
このようによほどひどくならない限り自覚症状に乏しいため、自覚症状だけから横川吸虫症がみつかることはほとんどないと言われています。このため横川吸虫症が発見されるのは検便などで偶然に卵などが発見されたときと言われています。
横川吸虫症の原因
横川吸虫症の原因は横川吸虫の小腸への寄生です。横川吸虫は人間の便の中にあった卵が淡水産のカワニナの中でふ化し、その後いろんな形態を経ながらアユやシラウオなどの淡水魚の体内に入り感染型の幼生になります。この魚を人間が食べると小腸まで移動して感染し、そこで成体にまで成長することになるのです。感染の原因は横川吸血の幼生を宿した淡水魚を熱を加えずに食べたことによるものです。加熱すれば横川吸虫は死にますが、アユには背越しという食べ方がありますし、シラウオには踊り食いという美味しい食べ方があります。こうした食文化に加え、横川吸虫症に大きな自覚症状がないという事情もあって、感染が進んでいると言われています。
横川吸虫症の治療法
横川吸虫症の予防はとにかく淡水魚を生で食べないことです。これはアユやシラウオなどの淡水魚が横川吸血の幼生を宿している可能性がある以上当然の対応です。ただ、アユにしてもシラウオにしても生で食べる習慣は強く残っていますから、簡単にはいかないことのようです。また、横川吸虫は熱には弱いのですが、アユの塩焼きなどで、しっかり焼いていない場合には横川吸虫の幼生が生き残っている場合もあるようです。ただ、この場合もアユの塩焼きはむやみに焼き過ぎると味が損なわれるという問題がありますので、ここまでくると味を取るか横川吸虫を徹底的に防ぐかという問題になりそうです。
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