レッシュ・ナイハン症候群の症状

レッシュ・ナイハン症候群がもたらす症状としては、不随意運動や筋肉の硬直、さらに精神運動発達の遅れといった問題が生じます。また、注意すべきは、自傷行為もこの病気によって生じる可能性があるという点です。自傷行為によって、自らの唇や指先を噛みちぎるといった病状があるため、対策が必要です。また、尿酸の増加により高尿酸血症の各種症状が生じます。
患者の成長過程の中で、乳児期から発育の不良といった問題が見られます。また、運動機能についても発達の遅れが現れます。やがては不随意運動が起きるようになり、自傷行為も目立ってきます。早期にこうした病状を発見することにより、レッシュ・ナイハン症候群を患っているかどうかの判断をしていきます。

レッシュ・ナイハン症候群の原因

レッシュ・ナイハン症候群が起きる原因であるのは、体内の代謝酵素が機能しないことによる尿酸の以上増加です。ヒポキサンチン・グアニンホスホリボシールトランスフェラーゼという体内の代謝酵素が、遺伝子異常により欠けていると、細胞内でプリン体を再利用するための仕組みが機能しなくなります。その結果として、体内で尿酸が異常に生産されます。

原因となる遺伝子は、性染色体のX染色体にあることが確認されています。そのため、母親から原因遺伝子が受け継がれる可能性があり、また患者のほとんどは男性です。レッシュ・ナイハン症候群を発病する人はごく稀であり、男児のうちおよそ十万人に一人の割合で発病する可能性がある病気です。

レッシュ・ナイハン症候群の治療法

レッシュ・ナイハン症候群の予防方法としては、X染色体の異常が原因となる事から、具体的な対策方法はありません。このことから、レッシュ・ナイハン症候群により引き起こされる病状に対して、それぞれの対処を行う事が具体的な治療手段です。

高尿酸血症を起こしている場合には、尿酸生成抑制薬を用いることが有効です。尿酸の増加を抑えることにより、腎障害や通風による関節炎の問題をできるだけ予防することができます。

また、尿路感染症を防ぐため十分に水分を摂取することが求められます。自傷行為には、向精神薬などの処方が役に立ちます。その他、マスクやリップガードの着用が、自傷行為を抑えることにつながります。