皮膚非結核性抗酸菌症とは
皮膚非結核性抗酸菌症とは、病原菌の感染によって皮膚などに病状を引き起こす病気です。原因となる菌としては、マイコバクテリウム・マリヌムなどがあります。治療には内服を用いますが抵抗性の場合は切除することもあります。
皮膚非結核性抗酸菌症の症状
皮膚非結核性抗酸菌症による症状としては、どの菌に感染するかによって、特徴が異なります。マイコバクテリウム・マリヌムに感染した場合には、肌に赤い点が表れたり、皮膚の固まりやしこり、潰瘍などが生じます。こうした病状は体の一部に現れるタイプや、あるいは全身の皮膚に影響が及ぶタイプもあります。肌に異常が現れるものの、痛みは伴いません。マイコバクテリウム・フォーチュイツムおよびケロネ感染症の場合には、肌の異常が手足などに現れるという特徴があります。一方で、マイコバクテリウム・アヴィウム‐イントラセルラーレ・コンプレックスの場合には、腰や脚の部分に赤い点やしこり、さらに膿瘍といった病状が現れることもあります。
皮膚非結核性抗酸菌症の原因
皮膚非結核性抗酸菌症が生じる原因は、免疫力の低下にあります。免疫力が低下しているため、原因となる菌に感染しやすくなるためです。免疫力が正常の場合は、非結核性抗酸菌症は弱毒性のため感染して症状を呈することはほとんどありません。しかし、免疫力低下をきたす疾患や副腎皮質ステロイド薬・免疫抑制薬などの服用により、皮膚非結核性抗酸菌症の原因菌に感染することがあります。感染の原因となる菌は、水中に存在しているタイプや、土の中に存在するタイプがあります。日常生活の中で、魚や水、あるいは土に触れたりすることをきっかけにして、この病気に感染する場合が多いです。また、お風呂などの菌が特に繁殖しやすい場所を中心として、感染することがあります。
皮膚非結核性抗酸菌症の治療法
皮膚非結核性抗酸菌症に対する予防方法としては、原因となる菌に感染しないための対策が有効です。免疫力を低下させる疾患を抱えた患者が、菌が繁殖しがちな、水や魚、土などの要因に対して、近づかないことやなるべく触れないといった対策方法が大切です。また、万が一触れた場合は、速やかに洗い流すことが重要です。また、周囲の人が、免疫の弱い人に対して、菌に感染しないための安全管理を厳密に行う事が求められます。万が一、菌に感染した場合には、起因菌や症状により使用する薬剤が異なります。原因菌にあわせて、ミノサイクリンやクラリスロマイシンといった治療薬を用います。
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