筋緊張症/先天性筋強直症の症状

筋緊張症/先天性筋強直症の症状としては、乳児期から筋肉の硬直が現れます。筋肉の収縮が過度に持続して円滑に弛緩しません。そのため、まぶたが開きにくい、握った手を簡単に開くことができないことで発見されます。遺伝性の病気で、筋萎縮は伴いません。
症状は広範囲に認められ、特に四肢や体幹筋に顕著で、強いものでは筋肥大となり、ヘラクレス型体型と形容されます。しかし、筋力が強いわけではありません。
常染色体の優生と劣性で分類が分かれ、優生遺伝の場合はトムゼン病、劣性遺伝の場合はベッカー病に分類されます。
トムゼン病では、筋肉が発達しヘラクレスのような体型になります。幼児期に発症し、中年以降に多少の筋力の低下がみられます。ベッカー病は、トムゼン病と症状は同じですが、ベッカー病のほうが筋力の低下が強く起こるといわれます。

筋緊張症/先天性筋強直症の原因

筋緊張症/先天性筋強直症の原因は、第7番染色体の中にある骨格筋クロルチャネル遺伝子(CLCN1)の異常による遺伝子の病気であり、骨格筋チャネル病のひとつで、国による難病治療としての研究が行われています。欧米の調査によると、筋緊張症/先天性筋強直症は10万人に1人程度との報告があります。また、人種や民族差があると報告されています。

非常に稀な病気のため、その実態はよく分かっていません。現在も日本での頻度や症状の特徴などの調査が行われており、診断や治療の進め方などが研究されています。いまだ、なぜそのような症状が起こるのか、病気のメカニズムについては分からず、これからも患者を研究するとともに診断と治療から病態の解明などが目指されています。

筋緊張症/先天性筋強直症の治療法

筋緊張症/先天性筋強直症についての明確な予防法は分かっておりません。先天性の遺伝子疾患であることは分かっておりますが、非常に稀な病気であり、国から難病と指定されて現在もその病気のメカニズムの研究が続けられています。
臨床的には乳児期から筋強直の症状があります。筋萎縮や筋強直性ジストロフィー症による多系統臓器障害の合併症がないことを確認して筋緊張症/先天性筋強直症と診断されます。
一次症状の予防としては、運動によって一時的に症状が軽減するといわれています。体操による長期間の効果も報告がありますが、その効果については研究も評価もされていないのが現状です。