馬蹄鉄腎の症状

馬蹄鉄腎というのは腎臓の形態異常で、左右の腎臓の下側が腹部大動脈の前でつながっているという異常です。
一生症状が出ない場合もありますが、腎臓がつながっている部分が腹部大動脈付近の神経などを圧迫することにより、臍部より腰部にかけて鈍痛や、仰向けになったとき、背骨を曲げた時の、腹痛や、吐き気、嘔吐などの症状が出る場合があります。尿流通過障害が起こる場合もあります。
また、尿路閉塞による水腎症、腎結石、尿路感染などを合併した際に、発見されることがあります。馬蹄鉄腎自体は特に病気ではないのですが、中には尿管が1本しかないという奇形もあり、馬蹄鉄腎があることによって合併症を引き起こしやすいというところはあるようです。

馬蹄鉄腎の原因

馬蹄鉄腎は腎臓の形態異常であり、その原因は胎生期の腎臓の発生過程でおこることが多いようです。
腎臓の形成過程で移動してきた腎動脈と臍動脈が交差した時に臍動脈の位置異常があると左右の腎臓が癒合してしまいまうことになるようです。癒合部は腎実質でできている場合と線維組織からできている場合があります。出生時にみつかることはまずなく、普通は無症状で、そのまま成人になって症状が現れる場合もあるようです。
馬蹄鉄腎は腎臓の形態異常ですが、それ自体は特に病気ということではなく、ただ、腎盂よりも上の部分で尿路閉鎖してしまう、尿管が1本の場合もあるなどの問題があり、それによって合併症を引き起こしやすいという事情があります。

馬蹄鉄腎の治療法

馬蹄鉄腎は胎児期に腎臓の形成過程でおこる腎臓の形態異常です。このため予防そのものは難しいところがあります。
馬蹄鉄腎自体は特に病気ということではなく、全体の3分の1はその存在が確認されないままに経過すると言われています。その一方で60%程度は小児期に何らかの外科的治療を行っているということです。通常は合併症が現れてはじめて馬蹄鉄腎ということがわかり、種類と程度によって治療が行われるので、その段階で泌尿器科医、小児の場合は小児科医に相談し、適切な対応を行うことで、この病気による影響に対処していくことが可能です。