尿道上裂とは
尿道上裂は、先天的な奇形である膀胱外反症のうちの軽症にあげられ、外尿道口が陰茎の背側に開口する病態です。放置することで尿失禁や尿路感染症などの様々な問題が生じるため、手術による治療が必要です。
尿道上裂の症状
尿道上裂の症状は、外尿道口が亀頭もしくは陰茎幹部の背面または陰茎恥骨移行部に開口している状態のことをいいます。女児の場合は陰核と陰唇の間または腹部に尿道が開口します。膀胱外反症の軽度のものとみなされています。尿道口がどの程度通常位置から外れているかにより、近位型上裂と遠位型上裂とに分類されます。
近位型は男児では陰茎恥骨型、女児では完全型であり、これらは尿失禁を伴います。近位型は遠位型よりも多く、全体の4分の3を占めるといわれます。
遠位型は女児にはまれな症状で、男児では陰茎型と亀頭型とに分類されます。遠位型では、尿失禁のほかにも、頻尿が多発していることが知られています。その他の症状としては、膀胱尿管逆流症がほとんどの場合見られ、尿路感染症が起こりやすいです。
尿道上裂の原因
尿道上裂の原因は、先天性の奇形であり、はっきりとはわかっていません。尿道の先天性の奇形は、男児においては通常陰茎の解剖学的異常を伴いますが、女児においては、他の外性器異常は伴わないことが多いとされています。尿道上裂により引き起こされる機能障害や症状のほとんどは、その形の異常により引き起こされています。
尿失禁が引き起こされるのは、奇形により膀胱粘膜が体の表面に出ていることが原因とされ、軽度の膀胱外反症とみなされます。
頻尿が多発するのは、膀胱の容量が小さいためであり、膀胱尿道逆流症が起こるのは尿管口が片側に偏って位置するために起こります。尿路感染症が起こる原因は、外尿道口の位置の奇形により粘膜が表面にさらされていることや、逆流が起こることによって引き起こされます。
尿道上裂の治療法
尿道上裂は、先天性の奇形であるため、その奇形を予防することは難しいとされています。しかし、出生時に外陰部の状態により奇形であるかどうかの診断を行います。外陰部の状態のみならず排尿時膀胱造影などでも行います。これにより早期の発見と治療により、感染症などの症状の予防につとめます。尿道上裂の治療方法は、奇形部分の外科的形成術が必要です。遠位型上裂の場合と近位型上裂の場合とで手術の内容が異なってきており、近位型上裂の場合は陰茎の外科的再建だけでは、失禁が残存する可能性があるので膀胱排出口の再建を行います。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください