膵島腫瘍とは
膵島腫瘍は、ランゲルハンス島と呼ばれる、インスリンやガストリンといったホルモンを分泌する膵臓の一部に腫瘍が出来る珍しい病気で、10万人に1人程度が発症します。ホルモン異常による症状が最初に出るため、最初はこの病気に気づきにくいことが特徴です。
膵島腫瘍の症状
膵島腫瘍はホルモンを分泌する部位に出来る腫瘍であるため、他の臓器の腫瘍と違い、ホルモンの異常による症状が先に出ます。最も影響を受けるのが、血糖のコントロールに大きく関わるホルモンの一種、インスリンです。本来は食事を摂ると血糖値が上がって、体のセンサーがインスリンを出し、血糖値が下がるとインスリンの分泌がストップするのですが、この病気になるとホルモンを出すセンサーが壊れてしまい、インスリンが放出され続けます。
結果、血糖が低くなりすぎる低血糖がみられ、異常な汗や手の震えといった症状に悩まされることになります。他にも、胃液の分泌が過剰になり胃の痛みが出たりしますが、大抵がインスリノーマというインスリン分泌異常からくる症状が特徴的なものとなります。
膵島腫瘍の原因
膵島腫瘍自体が珍しい病気であるため、発症のメカニズムや原因はまだはっきりしていません。メニン遺伝子と呼ばれる、がん抑制遺伝子異常の可能性が示唆されていますが、いまだ発症の具体的理由が解明されていない段階です。原因は分かっていませんが、他の膵臓腫瘍と同じように抗がん剤が存在しており、外科的に完全切除を行えば、完治することも可能です。ホルモン異常が先に目立って見えるため、この病気の存在に気づくのが遅れることが問題です。運動も食事も気を付けているのに、急に糖尿病だと言われた、十分寝ているのに異常に眠くて起きていることがしんどい、と感じた時には、この病気の可能性が考えられます。
膵島腫瘍の治療法
膵島腫瘍は原因が解明されていないため、予防が難しい病気の一つとなっています。ホルモン異常が起こることは知られてきているため、ホルモン分泌の機能に異常を引き起こさない生活を送ることが一番の予防法となっています。血糖値に作用するインスリンの分泌に異常が起こりやすいため、インスリンの分泌を大量に行ってしまう暴飲暴食は避けるべき事項の一つです。他にも、細菌感染や免疫低下を引き起こすと、ホルモンを分泌する臓器自体に異常が起こりやすくなります。風邪や疲労を避けて、生活習慣予防に準じた生活を送ることが有効となります。
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