症状

指挫滅創の症状としては、出血、疼痛、腫脹、機能障害、神経麻痺、筋腱損傷、壊死性筋膜炎、区画症候群、細菌による汚染など多岐に渡ります。

挫滅創そのものが、直接の外傷や圧迫によって、皮膚の連続性が保たれず(開放性損傷)皮下組織や筋肉、腱、血管や神経などにも損傷が出ています。そのため、その機能障害は多岐に渡るようになります。

また、皮膚に守られている軟部組織がむきだしとなってしまうため、感染症にかかるリスクが飛躍的に高まっている状態となります。挫傷が皮膚の損傷がない閉鎖性損傷であるのに対して、挫滅創は鈍的な外的刺激により軟部組織が圧挫され、開放性損傷となり皮下組織、筋肉、血管、神経、骨などまで広く損傷された状態となります。

原因

指挫滅創の原因として多いのが仕事中の事故です。プレス機械など重機械を扱う工場で、操作や手順を誤ったりするなどヒューマンエラーが発生した際に、上肢から手指にかけて損傷を受ける場合が大半となります。下肢の損傷を受ける場合が交通事故であるのに対して、上肢や手指の損傷については労働中の上肢や手指作業中によるものが多くなります。

骨折や屈筋腱損傷程度であればスポーツ由来の原因もありますが、挫滅そのものが強力かつ鈍的な外的侵害刺激が原因であるため、受傷機序となる場面は下肢に比べて制限されています。

受傷から6から8時間までの間は最適期(golden time)と呼ばれ、損傷部位の修復による機能回復が見込める重要な期間です。

治療法

指挫滅創の主要な原因は労働中の事故が大半となります。これを予防するためには事故そのものを未然に防ぐための組織的な対応が必要となります。

医療現場においても日常的に導入されているようなインシデント・アクシデント管理によるリスクマネジメントを行う必要があります。

そして、ヒューマンエラーについて発生状況やその原因の分析、今後の課題や対応策の検討をすることで事故の発生リスクを軽減させる事が可能となります。

また、実際に事故が発生した場合には受傷から6から8時間までのgoleden timeの間に、速やかに医療機関での治療を受けることが重要です。