黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症とは
黄斑ジストロフィとは、網膜の中心である黄斑部分に萎縮、変性が生じる疾患の総称です。両眼ともに発症し、進行性です。症状には、視力低下、眼振、羞明、暗いところで見えにくい、色覚異常などがあります。治療方法が今のところないので、病気を受け入れて生活していく必要があります。
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症の症状
ジストロフィとは遺伝性の疾患に用いられる言葉で、黄斑とは目の網膜の一部で、ものを見るのに最も重要な部分です。黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症は、両眼とも発症し、両眼の症状が同じ程度です。成長に伴い、徐々に進行していきます。症状には、中心暗点(中心部分が見えない)、傍中心暗点(中心から少し離れた部分が見えない)、羞明(眩しい)、夜盲(暗いところで見えにくい)、視野狭窄(見える範囲が狭い)などがあります。
生後数ヶ月で発症する場合の主訴には、視線を合わせない、ものを動かしても追視しない、ものを動かしても興味を持たない、両目が小刻みに揺れている(眼振)などがあります。三歳児健診や就学児健診で視力低下を指摘されて発見される場合もあります。それ以降に発見される場合も多いです。
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症の原因
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症の原因は、遺伝子の異常による代謝障害です。網膜の黄斑部の組織が徐々に萎縮、変性を起こします。黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症は先天性の黄斑部の病気を総称して言うので、種類によって原因の遺伝子物質も異なります。遺伝子検査によって原因が特定される場合もあります。網膜には視細胞という細胞があり、これによってものが見えています。視細胞には錐体細胞と杆体細胞があり、錐体細胞は視力や色覚などの役割、杆体細胞は暗視、光覚などの役割があります。
黄斑部の主に錐体細胞が変性を起こすと視力低下、眼振、色覚異常などの症状が強くなり、主に杆体細胞が変性を起こすと夜盲や視野狭窄などの症状が強くなります。
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症の治療法
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症は遺伝性の病気なので、予防方法や治療方法はありません。進行を遅らせるという内服薬はありますが、効果に個人差があり、効果があるという確証は得られていません。黄斑はものを見るのにとても重要な部分なので、そこが変性を起こすとかなり視力に影響します。
黄斑ジストロフィ/先天性黄斑変性症と診断された場合、その病気を受け入れて今後の生活を考えていかなければなりません。日常生活において、補助具の使用や、リハビリテーションを行うことも重要です。
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