虹彩離断とは
虹彩離断は、虹彩断裂とも呼ばれる、毛様体に虹彩が付着することによって、局部的な分離や剥離が起こることです。鈍的外傷による虹彩離断の場合、隈角後退、緑内障のリスクが高く、眼内圧の亢進が引き起こされることもあります。一般的に、傷を受けた後約100日間または3ヶ月の観察を行うため、100日の緑内障と呼ばれます。
虹彩離断の症状
瞳孔は正常な場合、正円をしています。虹彩が離断されると、引っ張る力が外部からかかるため、不整形になります。全周にわたり離断した場合を外傷性無虹彩症と呼びます。小さい虹彩離断であれば、無症状で治療を必要としないものが多いです。しかし、大きな虹彩離断を伴っている場合は瞳孔偏位や多瞳孔症となり、片目で見たときに物が二重に見えたり、まぶしくて見えづらくなったり、強い光を受けたときに目に痛みを感じる、不快感を感じるという症状が出たりします。
虹彩離断は、よく隈角後退を引き起こすため、緑内障や前房出血の原因となっています。
虹彩離断の原因
外から力が加わることによって、その圧力が虹彩を引き伸ばしてしまい、引き裂かれることによって虹彩離断が起こります。原因の多くは、目への鈍的外傷によるものですが、貫通性の眼外傷が原因となることもあります。主な例としては、ボクシング、エアバッグが展開したことによるもの、ゴム製のバンジージャンプの紐や高圧水のジェット、水風船、花火などが目に当たったことによるものなどが報告されています。そのほか、目に様々なもの(ボールなど)がぶつかったり、当たったりして虹彩離断になったという報告がされています。
ある種の虹彩離断は、眼内外科手術の医原性の合併症であることがありえます。かつては、一種の白内障の摘出手術の一部として故意に引き起こすこともありました。
虹彩離断の治療法
虹彩離断を予防するには、危険な作業をするときなどにゴーグル等で目を保護することです。虹彩離断になってしまった場合、とくに前房出血を起こしている時には慎重な処置が必要です。出血の再発を防ぐために、全てのスポーツを慎まなくてはなりません。処置としては、観察と床上での安静が必要とされています。また、睡眠中に眼を傷つけないように眼球保護帯を着用します。アスピリンやヘパリンといった薬剤の投与は避け、病状の進行または回復を毎日観察します。大きな前房出血では、前房洗浄も必要とすることがあります。その場合には、慎重に洗浄を行います。
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