ビオプテリン異常症の症状

ビオプテリン異常症の症状はまずフェニルケトン尿症と診断されます。フェニルケトン尿症は生まれた時は正常な赤ちゃんが哺乳を開始することによりフェニルアラニンが蓄積して脳に障害が起こり知能障害や脳波異常、けいれんなどの症状が起こる病気です。
フェニルケトン尿症を治療するには、フェニルアラニンの蓄積を改善させる為にフェニルアラニン制限食をできるだけ早期から開始します。授乳期にはフェニルアラニンを含まないか含有を減らした特殊ミルクを用い、離乳期以降はフェニルアラニンが蛋白質の中に含まれているので低蛋白食になります。
このような低フェニルアラニン食事療法を行っているのに知能障害やけいれんが改善しない場合はビオプテリン異常症ということになります。

ビオプテリン異常症の原因

フェニルケトン尿症の原因の一つはビオプテリン異常症です。フェニルケトン尿症は新生児マススクリーニングで発見することができますが、フェニルケトン尿症を疑われた新生児の内10人に1人はビオプテリン異常症が発見されています。したがってフェニルケトン尿症の場合はまずビオプテリン異常症かどうかの検査を行って治療をすることが大切です。
この病気はビオプテリンの代謝異常によってテトラヒドロビオプテリンが欠乏している状態なので、テトラヒドロビオプテリンを投与します。またこの病気は脳内で信号や情報を伝える役割を持つ神経伝達物質が欠乏することがわかっているので、体内で神経伝達物質に変化する薬を投与することも必要になります。

ビオプテリン異常症の治療法

フェニルケトン尿症やビオプテリン異常症は常染色体劣性遺伝が原因なので予防することはできません。しかしフェニルケトン尿症やビオプテリン異常症によって引き起こされる知能障害やけいれんを食事療法などによって予防することはできます。
したがってフェニルケトン尿症やビオプテリン異常症の治療目標は生まれつき備わっている知的能力を成人まで損なわずに成長させることです。それにはやはり食事療法を行うことが必要となります。家族や医師、栄養士などが一丸となって子どもに病気のことを理解させ指導や教育をすることが大切になります。
テトラヒドロビオプテリンを投与する事など、薬物療法も行っていきます。