特発性肺血鉄症とは
特発性肺血鉄症とは、肺胞内に原因不明の出血を繰り返し、徐々に肺の組織が線維化し硬くなる病気です。原因不明とされ確実な治療方法もない難病と言われています。急激に発症する場合からほとんど症状がない場合など、さまざまな形で発症します。発症頻度も非常に少なく、主に10歳以下の子供の発症が多いと言われています。
特発性肺血鉄症の症状
特発性肺血鉄症の症状は、血のまじっている痰や、気管や気管支、肺などの呼吸器系の器官から口や鼻を通して出血したり、頻繁なせき、1分間に100回以上の脈拍などの状態、動悸や息切れ、めまいなどの貧血、皮膚や爪、くちびるなどが青紫に見えるチアノーゼなどがみられます。咳などと一緒に真っ赤な色の出血が伴う場合もあります。また、呼吸するのに努力が必要になり悪化と改善を繰り返しながら呼吸困難を引き起こしたりします。
自覚症状がない場合もあり、少し血液がたんにまじる程度から、大量の出血のものまで様々な形があります。肺出血の繰り返しで、血液検査では鉄欠乏性貧血が認められたり、X線写真の肺には陰影がみられます。
特発性肺血鉄症の原因
特発性肺血鉄症の直接的な原因は、不明とされています。肺胞の中に原因のない繰り返しの出血により起こる病気です。病因は、小児例において牛乳に対する抗体による症例や小麦やライ麦などに含まれたタンパク質の一種であるグルテンに対する過敏反応などの食物アレルギー、自己免疫性溶血性貧血や特発性血小板減少性紫斑病、甲状腺中毒症の合併例などから免疫学的機序に関係しているとも言われています。
また、気管や気管支、肺などの呼吸器系の器官からの喀血、体内に鉄が不足し十分なヘモグロビンを生産する事が出来なくなる事で生じる鉄欠乏性貧血、肺への鉄の蓄積等などの要因も挙げられます。X線写真の肺には肺胞内出血のため陰影がみられます。
特発性肺血鉄症の治療法
特発性肺血鉄症は、原因不明と言われています。そのため確実な予防法はありませんが、肺には、悪い影響を及ぼす煙草の吸い過ぎには十分気を付け、できれば禁煙が好ましいと言えます。また、ウイルスや細菌などの感染に対する予防に心掛ける必要もあります。特発性肺血鉄症と診断されたら、ステロイド、クロロキン、シクロホスファミドなどの免疫の働きを抑える薬の使用によって改善の効果があると言われています。口や鼻からの出血や、せきが止まらない、呼吸困難などの症状がみられたらすぐに専門医の検査を受けたり、自覚症状がない場合もあると言われているので、定期的な健康診断で早めに見つけ対処する事がもっとも重要です。
治療は、ステロイド薬や免疫抑制薬を用いる薬物療法の他、血漿交換療法を行う場合もあります。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください