ゲームキーパー拇指とは
ゲームキーパー拇指は、親指の2番目の関節(MP関節)が、転倒などの拍子に、外側に曲がった時に起こる靭帯損傷の一種です。かつてイギリスにおいて、うさぎを素手で絞め殺す狩場の番人(ゲームキーパー)が、よくかかる病気とされたことが名前の由来となっています。また、母指MP関節尺側側副靭帯損傷、スキーヤー母指とも呼ばれています。
ゲームキーパー拇指の症状
ゲームキーパー拇指は、主に親指の内側の付け根の部分に痛みや違和感の症状が出ます。他には、手を握る、こぶしを作る、つまみを回す、びん等をつかむ、指圧する、重い荷物を手で支える等の動作がしづらくなることもあります。損傷の状態により、手・腕の脱力感、しびれの症状が出る可能性もあります。軽度であれば、すぐに冷やす等の処置を行えば、親指の付け根部分の痛みや違和感はなくなります。しかし、痛みがたとえ引いた場合でも、病院等で適切な処置を受けず、放置したままでいると、変形性関節症を引き起こし、手や指が変形したり、痛み等の症状が出ることがあります。重度の場合だと、親指や受傷した手・腕に機能障害が残る可能性があります。
ゲームキーパー拇指の原因
親指を手のひら側ではなく、外側に無理な力で瞬発的に曲げてしまうことで、親指の手のひら側の靭帯が断裂した状態になるのが、ゲームキーパー拇指を引き起こす最大の原因です。日常生活では、転倒した時におかしな方向に手をついてしまうことが原因で、ゲームキーパー拇指を引き起こすことがあります。また、強すぎる力で雑巾絞りやパン生地等をこねたりする動作等でも、引き起こす可能性があります。
スポーツにおいては、空手、柔道、合気道等で相手を投げとばす際、親指に負荷がかかりすぎることが原因で発症することがあります。他には、ゴルフにおいて、地面を思い切りクラブで打ってしまった場合や、スキーにおいて、ストックを持ちながら転倒してしまった場合も、親指が外側に曲げられてしまうことがしばしばあるため、ゲームキーパー拇指を引き起こしやすくなります。
ゲームキーパー拇指の治療法
日常生活においては、転倒して手をおかしな方向へ着地させないように注意することが、ゲームキーパー拇指の発症を防ぐ一番の予防策となります。他には、雑巾を絞ったり、パン生地等をこねる動作等が、過度に親指に負担をかけてしまうことがあるため、力が入りすぎないよう力加減を調整することが大事です。また、少しでも親指の付け根あたりに違和感を感じた場合は、患部を冷やして安静にすると良いです。痛みが引かない場合は、すぐに病院を受診するようにしてください。スポーツの場において、特にスキーにおいては、ストックを持ったまま転倒してしまう恐れが十分に考えられる初心者等に、転倒しても親指が外側に曲がらないよう、あらかじめテーピングをして、抑制する方法が予防策の一つとして考えられます。
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