耳小骨発育不全の症状

耳小骨発育不全の主な症状は難聴になります。耳鼻科にて聴力検査を行った場合、軽度から中程度の伝音難聴がみられる場合が多いです。
両耳に障害がある場合は、言語発達に障害が出るため1歳から2歳程度で気づくことが多いですが、片側の場合は、健康診断などで発覚することが多くなります。
耳小骨の離断や固着があると、アブミ骨筋反射が悪くなります。また、鼓膜の動きを測るティンパノメトリーで離断、固着を区別できる場合もあります。乳幼児の場合は、話すことができないため、難聴の有無を脳波を用いた聴力検査を行うことにより判定を行うバイもあります。
状態をよく観察するためには、側頭骨のCTスキャン検査を行うことにより詳細に検査することが可能です。

耳小骨発育不全の原因

耳小骨発育不全の原因は、遺伝による可能性と、遺伝子の突然変異、妊娠初期や出産時における母体の病気などの可能性がいわれていますが、現在のところ明確に原因は特定されていないのが現状です。
鎖耳とも呼ばれる外耳道が閉じている状態であったり、あごや顔面の発育不全を伴うこともあり、この場合を複合発育不全といいます。トリーチャーコリンズ症候群、アペール症候群、クルゾン病などで起き、これらは遺伝子異常で起こるとされ、原因遺伝子がわかっているものもあります。

耳小骨発育不全の治療法

耳小骨発育不全の原因については、完全に解明されているわけではないので決定的な予防策はありません。
常染色体優性遺伝などで、遺伝が起こる可能性が高い場合は、事前に家系内の病的変異を調べておくと、出生前診断することも可能です。
治療では、軽度の難聴の場合を除いて、補聴器をつかいます。補聴器を使うことでかなり聞き取りがよくなることが多いです。
また、根本的治療には手術を行います。