口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の症状

口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の症状は、慢性的な機械的刺激が加わることで粘膜が傷つき上皮が剥がれ潰瘍になります。いずれも潰瘍は比較的浅く不形成で限局性の陥没として認められ、デコボコが少なく平滑です。腫瘍のように隆起してもいません。口腔常在菌の感染で治癒が長引くこともあります。そうなると潰瘍周囲が硬くなりしこりになることがあります。
潰瘍は舌で触るなどの接触痛やジュースなどの「しみるもの」を飲むことなどでの刺激痛はありますが、自発痛はありません。
色は周辺が赤く、中心部は赤い場合や白い斑点状のもの、肉芽組織表面の壊死により黄白色の場合があります。
好発部位としては、舌(舌縁、舌尖、舌小帯)、頬粘膜、歯肉と頬(舌)の移行部、口蓋が挙げられます。

口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の原因

口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の症状はいくつかの原因があります。歯そのものが原因であれば、歯並びの悪さなどの誤った方向に生えている歯が舌に当たり、舌のへりや頬の内側の粘膜に潰瘍を作ります。
また、虫歯や歯の詰め物による歯の鋭利な出っ張りや合わない義歯や金属冠(銀歯を歯全体にかぶせてある状態)が原因の場合は、それらの慢性的な機械的刺激よっても同じ症状が現れます。
パーキンソン病(神経の病気でリラックスしている時に体が震えたりするの特徴)や薬剤による口腔の不随意運動(オーラルディスキネジアとも言い、老人性の震えなど無意識的に動いてしまうこと)、自分で舌や唇を咬む癖(自咬癖じこうへき)によっても生じることがあります。いずれも一回の刺激が少なくても、それが慢性的にそして持続的に行われることが問題となります。

口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の治療法

口腔粘膜の褥瘡性潰瘍の予防は、歯磨きや食生活により虫歯を作らないようにすることがまず挙げられます。もし虫歯ができてしまった場合でも、その後の定期検診を行うように努め虫歯の再発を防ぐと共に、治療済みの歯に異常がないかを調べてもらいます。
また虫歯ではない機械的刺激が原因だった場合は、その刺激物の除去し1から2週間程度経過を観察します。症状の改善が見られれば良いのですが、繰り返し発生して改善が見られない場合は歯科や口腔外科などの専門医に受診して下さい。長期間の機械的刺激は舌がん、歯肉がんなどの口腔がんの原因ともなるので注意が必要です。