慢性リンパ性白血病/類縁疾患とは
慢性リンパ性白血病/類縁疾患は、白血病のひとつで国際的な標準規約であるWHO分類において、リンパ増殖性疾患に分類されています。慢性リンパ性白血病/類縁疾患とは、血液中の成熟した小型のB細胞性リンパ球がリンパ節や骨髄、脾臓などで腫瘍性増殖を起こして蓄積することで起きる疾患で、免疫不全により日和見感染や免疫の異常を合併し易いです。
慢性リンパ性白血病/類縁疾患の症状
慢性リンパ性白血病/類縁疾患は、一般的に病気の進行はゆっくりと進みます。また、初期は無症状なために健康診断の血液検査などで発見されることや、進行して症状が現れたときに発見されることがあります。慢性リンパ性白血病/類縁疾患は、まず血液中の白血病細胞が多くなり、全身の倦怠感や体重減少、盗汗、リンパ節の腫れ、発熱などが現れます。
白血病細胞がさらに増殖して病気が進行すると肝臓や脾臓の腫れもみられ、正常な血液がつくられなくなる溶血性貧血、そして血小板減少により一旦出血すると血が止まりにくくなる出血傾向などの症状が現れる場合もあります。また、リンパ系細胞の異常による免疫力の低下で細菌やウイルスに対しての抵抗力がなくなり、日和見感染を起こす場合もあります。
慢性リンパ性白血病/類縁疾患の原因
慢性リンパ性白血病/類縁疾患は、はっきりとした原因はわかっていません。慢性リンパ性白血病/類縁疾患は、欧米諸国では白血病の中では約20~30%で発症率が高い白血病とされています。しかし、アジアでの発症は少なく、日本では白血病の中の約2~3%とされていて稀な希少疾患となります。このことから、遺伝的要因が原因と考えられています。現在、遺伝子によるものは判明されていませんが、さまざまな染色体変異として13q-、11q-、17p-、6q-、12トリソミーなどが見つかっています。また、発症する年齢では高齢者が多くみられ、30歳未満の若い人はほとんどみられません。そして、男性に多い(男女比は2~2.5:1)疾患です。
慢性リンパ性白血病/類縁疾患の治療法
慢性リンパ性白血病/類縁疾患の治療は、完治することが困難な疾患とされています。しかし、進行がゆっくりと進むために治療や予防を行う必要がないまま、日常生活を過ごす人もいます。したがって、リンパ球の増加だけがみられる場合には、投薬を行わず経過観察のみで、進行が進んで症状が現れた場合に、はじめて抗がん剤を用いた投薬治療が行われる場合が多いです。その他の治療では、局所治療として大きく腫れてしまったリンパ節や肝臓、脾臓などによる圧迫症状を緩和するために放射線治療や、白血病に侵された骨髄を健康な骨髄にかえるために造血幹細胞移植を行う場合があります。溶血性貧血には副腎皮質ホルモン剤などが使われ、日和見感染には抗生物質の投与などが行われます。
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