症状

光による化学変化でできたスモッグは、大気中の二酸化窒素や炭化水素に、太陽の紫外線があたると、複雑な反応を起こし、刺激性のある物質を作り出します。その為人体や植物に、様々な健康被害等を引き起こします。
光化学スモッグ障害の「症状」としましては、主に「眼がチカチカする・喉が痛くなる・視程障害を引き起こす」等のケースがみられます。視程障害とは、肉眼で物体がはっきりと確認できる、最大の距離に支障をきたす障害の事をいいます。
症状には、軽症例・中等症例・重症例とがあります。中等症例・重症例では、手足のしびれ感・頭痛・めまい・発熱・嘔吐等の症状が現れます。なかには、呼吸困難となり酸素吸入等を要する場合もあります。

原因

光化学スモッグ障害の主な「原因」は、化学変化(もとの物質とは違う物質に変化する事)でできたスモッグによるものです。スモッグとは、大都市や工業地帯にしばしば発生する、塵埃(じんあい)や煤煙(ばいえん)の粒子が、凝結核となった霧の事です。これは、自然に発生する霧とは異なるものです。
大気汚染濃度が高い場合にも、スモッグといわれています。どちらも、人間の健康や植物の成長に、害を及ぼすものです。
日本では、戦後の工業化に伴い、1970年代前半に大気汚染のピークを迎えました。そこで政府は「大気環境基準の設定」・「自動車排ガス規制の導入」等により、工場やガソリン車からの汚染物質の排出の減少により、健康被害への発生件数も減少しました。

治療法

光化学スモッグ障害の「予防」は、外出先から帰宅したら、眼を洗う事・手洗い・うがい等が基本となります。シャワーを浴びる等して、皮膚や髪の毛を洗浄する事も望ましいです。空気清浄機・空気洗浄機等を使用して、清浄な空気の中で安静にする事が、軽症例では必要です。

中等症例・重症例では、気道・肺を通じて血液中に入り、赤血球と反応して中枢神経にも作用して、麻痺させます。呼吸困難等の症状が現れた場合、酸素吸入が必要となりますので、内科の医療機関を受診する事が重要です。東京では、公害による健康被害の医療費(入院の場合)を、助成している自治体もあります。