皮膚抗酸菌感染症の症状

皮膚抗酸菌感染症は、原因菌によって症状の出方が異なります。

皮膚結核の場合は、真性皮膚結核や結核疹がありますが、顔や首に紅黄褐色で形のふぞろいな塊や潰瘍ができたり、手足にイボ状の皮疹ができたり、関節やリンパ節の周囲に膿瘍や潰瘍ができたりします。

皮膚非結核性抗酸菌病のうちの、M. marinum感染症の場合は肘や膝、手足などに膿疱や発赤が生じ、潰瘍になったりします。M.avium intracellulare complex の場合は腰や下肢などにしこりや膿瘍、潰瘍がみられます。

ハンセン病の場合は、らい菌の感染により、結節や丘疹や知覚神経麻痺が起こり、症状が進むと潰瘍をつくったり変形などが起こります。

皮膚抗酸菌感染症の原因

皮膚抗酸菌感染症は、様々な抗酸菌に感染することによって起こります。
皮膚結核の場合、肺結核などから、血行によって菌が広がる際に皮膚に病巣結核を形成することで発症します。

皮膚非結核性抗酸菌症では、プールや熱帯魚の水槽の水、温泉などの水から、菌が傷口などから進入して感染することが多いです。


ハンセン病の原因であるライ菌は感染力は非常に弱いですが、未治療の感染者の飛沫などから感染すると考えられています。

皮膚抗酸菌感染症の治療法

皮膚抗酸菌感染症では、抗生剤による治療が効果的です。
予防として、皮膚結核では、まず肺結核などの時点ではやめに治療を行うことが大切です。
定期的に健康診断をうけたり、風邪のような症状が長く続く時は、受診し、早期発見、早期治療に努めることが重要となります。
また、BCGワクチンの接種が結核に対して効果的です。BCGワクチンは皮膚結核などの結核以外にハンセン病等の他の抗酸菌感染病に対する予防効果があると認められています。
皮膚非結核性抗酸菌症では、傷がある場合は、水槽の水に触れたりするのを避けたりするのが大切です。