ポイツ・ジェーガース症候群とは
ポイツ・ジェーガース症候群とは、黒い色素の斑点模様が唇や口腔内の粘膜と四肢末端部分に表れる症状で、多くは、消化器官系の症状も確認されることから血便や腹痛、腸重積を合併しようとして引き起こす例もあります。原因は、遺伝性のもので、3.8万人に1人の割合で発症する病気とされています。 出典:皮膚科臨床アセット15(母斑と母斑症)
症状
ポイツ・ジェーガース症候群の初期症状としては、唇や口腔内の粘膜、眼結膜および四肢末端部分における黒色の色素班が多く見られます。それに合わせて、食道を除くすべての消化器官内での腫瘍性ポリープの発生。およびそれに伴う腹痛、血便、イレウス等の症状が現れます。色素沈着は、ポリープの発生より早いため、この時点で家族の病歴などと照らし合わせ、適切な診断が必要となります。また、成長と共に大きさや色の濃淡や個数など増えていく傾向にあるが、成人を過ぎると減少傾向に落ち着きます。
合併症として、消化器官内に出来たポリープががん化する場合があり、特に注意が必要です。また、腸重積などの重大な合併症も引き起こすので、甘く見てはいけません。
原因
ポイツ・ジェーガース症候群の原因として考えられるのが、常染色体優性遺伝によるSTK11/LKB1という遺伝子です。この遺伝子によって遺伝によってのみ発症する病気です。ですので、家族の病歴を調べることによってある程度推測できる場合もあります。現在、他の関連物質や遺伝子との関係が日々研究されているが、全患者が今示した原因遺伝子を持っているわけではないとの報告もあり、今後の研究で明らかになっていくはずです。発症してしまった場合は、いかに消化器官内のポリープをがん化させない、もしくは周辺臓器へのがん化が広がるのを防ぐために、切除することが望ましいとされています。この場合は、内視鏡等の器具を使って切除するのが一般的です。
治療法
ポイツ・ジェーガース症候群の予防としては、この病気自体が常染色体優性遺伝という遺伝性の病気であり、原因遺伝子も大半が解明されている点から考えても、まず、家族内での病歴を確認し、今までに発症した人がいないかを調べる必要があります。また、現在では、原因遺伝子が特定されたことで、特定された遺伝子の有無を遺伝子検査で調べることも可能になっています。このようにして、事前に防ぐことはできなくても、もし症状が現れた場合に、適切な対象ができるように準備しておくことはとても大切です。これによって、治療もスムーズに進み、合併症を引き起こすような位まで悪化することを避けることができます。このような事前の対策が患者と家族の人生も大きく変えることになるのです。
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