染色体微細欠損症候群の症状

染色体微細欠損症候群の症状は、その欠損する部分によって症状が異なります。
第5番目の染色体(5P)の末端部分の欠損では、出生直後に高音でニャーという猫のような鳴き声を発する事がありますがこれは数週間するとなくなります。また小頭・両目の離れた円形の顔・斜視・鼻根部扁平などがみられます。
第4番染色体の欠失は精神の遅滞を引き起こします。他にも口蓋裂・骨発達の遅延などもあり、患児の多くは乳児期に死亡し生存した場合も重度の身体的な障害がみられてんかん・感染症を起こすことが多いです。隣接遺伝子症候では、染色体の特定の部位に隣接する遺伝子群の超顕微鏡的欠失も含まれる。一部の欠失では症状は重くはないものの児へ遺伝することもあります。

染色体微細欠損症候群の原因

染色体微細欠損症候群の原因は、様々な染色体の欠損によることによって発症します。

5P症候群では五番染色体の短腕欠失によるもので出生頻度は50000人に一人です。2P染色体欠損による2Pトリソミー症候群では2番染色体短腕の領域2の過剰があり世界的には30以上の例があります。

6Pトリソミー症候群では、6番染色体短腕の過剰によることがあり10例以上の報告がある。11Pトリソミー症候群では11番目の染色体長腕欠失により40例以上の報告があり女性に多く発症しています。このように染色体微細欠損症候群は人間のもつ染色体の中の様々な部分になんらかの原因で微細な欠損がおこることによって発症しますがその染色体の種類によって病名が異なったり症状もそれぞれ違っています。

染色体微細欠損症候群の治療法

染色体微細欠損症候群は、先にも述べたように人間の遺伝子が含まれる染色体の問題から発症するため予防することは難しいのが現状です。
ほとんどが突然変異による染色体異常であるからです。ですが、例えばこの症候群の中で22P11・2においては両親のどちらかにこの異常がある場合には50パーセントの確率で遺伝することがわかっているので、リスクの予想をすることができます。
このような家族歴からリスクが予想できる場合には超音波検査により出生前の診断を受けることが可能になっています。前もってわかっていれば出生後の症状の予測もできるので両親にとっては精神的な面において様々な事を予防することもできます。