水俣病の症状

水俣病の症状は、個人差がありますが、主に、感覚障害、視野狭窄、構音障害、運動障害、聴力障害などが症状となって表れます。
その症状はさまざまですが、手足のしびれやふらつき、つまずきなど身体症状で自覚する事が多く、熱さや冷たさを感じにくい、体の感覚障害も伴います。
また、筋肉のこむらがえりなども発症し、軽度の場合は症状が現れる頻度は少なく、重度になるとさまざまな症状が常時自覚するようになります。音が聞き取りにくくなる聴力障害が現れる場合もあります。
母親が妊娠中に体内に入ってしまうと胎児性水俣病となり、胎児にも影響を及ぼす恐ろしい病気です。

水俣病の原因

水俣病の原因は、メチル水銀が工場の排水から、水俣湾に流出したことが原因です。
メチル水銀に汚染された水が、貝や魚、プランクトンなどの体内に入り、食物連鎖を通して、人間が汚染された魚介類などを食することによって、中枢神経系に障害をもたらします。
メチル水銀は、脳に入っていくのが特徴で、一度体内に入るとなかなか排出されず、出にくいと言われています。また、メチル水銀による発症する量は、約25ミリグラムといわれていますが、同じ汚染された魚を食べても、発症する人、しない人、軽度、重度と個人差があり、症状の現れ方もさまざまです。

水俣病の治療法

水俣病は、熊本県水俣湾において、メチル水銀に汚染された魚介類を食べることによって発症します。1968年以降、メチル水銀が水俣湾に流出されなくなってから、国の基準値を上回ることはなくなりました。
予防法としては、企業側が環境に配慮し、有害物質を海に排出しないこと。そして、汚染されている可能性がある魚介類は食べないことで予防につながります。
空気感染はしないため、偏見などを持たず、水俣病に対して正しい知識を持つことが予防法の一つといえます。治療は対症療法、リハビリが主で、病歴が短ければ水銀排泄を促すキレート剤が用いられることもあります。