原発性マクログロブリン血症の症状

病気にかかった初期の頃は、自覚症状が現れないことがほとんどです。定期健康診断で血液や尿の蛋白の異常が見つかったことをきっかけに、原発性マクログロブリン血症であると発覚する場合もあります。
  
マクログロブリンというのは非常に分子が大きくこれが多量に血液中に存在することで血液に粘稠性が出てきて血管につまり各種臓器障害を起こします。

  
全身倦怠感や鼻出血などの出血、視力障害、肝臓や脾臓が腫れることによる腹部膨満感を訴えることもあります。

原発性マクログロブリン血症の原因

IgMという免疫に関係するタンパクの一種がありますがこれが5個くっついてマクログロブリンというものになります。IgMを産生するのはB細胞というリンパ球で、これが腫瘍性に増殖して多量にこのマクログロブリンを産生して血中にあふれます。そして血液に粘稠性が増していろいろな障害を起こします。血液のがんに近いものがあります。60歳以上の高齢者に起こりやすいことが分かっています。また、女性よりも男性の方が起こりやすいことが知られています。
   
初期の自覚症状に乏しい病気のため、定期的な健康診断を受けることが大切になってきます。理由のわからないめまいや倦怠感、貧血、鼻出血、視力障害、全身のリンパ節腫脹などを感じることがあれば医療機関へ相談に行くことが勧められます。

原発性マクログロブリン血症の治療法

原発性マクログロブリン血症は、原因が明らかになっていない病気のため、明確な予防法はありません。早期に病気を発見することが、重要な対策となります。
  
治療としては、シクロホスファミドの内服などによる化学療法により、異常な抗体やがん細胞の増殖を抑えることが行われます。また血液の粘稠度増加に伴う臓器障害が強い場合は血漿交換という治療がなされることもあります。担当の医者とよく自分の状態について相談し、病気についてきちんと理解することが何よりも大切です。