頭蓋咽頭腫ずがいいんとうしゅ

カテゴリ
脳の病気
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医師監修

頭蓋咽頭腫とは

頭蓋咽頭腫とは、脳の下垂体付近にできる良性の腫瘍です。しかし、腫瘍が発生する部位の周辺には重要な神経や血管があるため、腫瘍が大きくなるとさまざまな症状・障害が出てくるやっかいな病気です。小児期と成人期の二つに発生のピークがあります。

頭蓋咽頭腫の症状

頭蓋咽頭腫の症状には、視神経が圧迫されることによって起こる視力障害や視野障害、脳下垂体が圧迫されることによって起こる下垂体機能障害があります。

頭蓋咽頭腫の症状は、主に3つに分類することができます。
  
・頭蓋内圧亢進症状
これは腫瘍が大きくなることで、脳脊髄液の循環が阻害される症状です。頭痛や吐き気などが代表的ですが、歩行障害が見られる場合もあります。
  
・視力視野障害
腫瘍が視神経を圧迫するようになると、視野が狭くなるおそれがあります。両目の外側の視野が欠ける場合が多いです。さらに進行すると視力の低下も見られます。
  
・下垂体機能低下
小児期での発症の場合によく見られる症状で、成長ホルモンの分泌に影響が出ます。身長が伸びなかったり二次性徴の欠如などが特徴的です。大人の場合は倦怠感や生理不順、性欲の減退などが見られます。
  
下垂体機能障害の症状には、副腎皮質ホルモンの低下による全身の倦怠感、低血圧、低体温など、性腺ホルモンの低下による勃起不能・睾丸萎縮(男性の場合)や、無月経・不妊(女性の場合)など、甲状腺ホルモンの低下による冷え症、物忘れ、やる気が出ない、集中力がないなどがあります。
  
小児の場合は、成長ホルモンの低下のために身長が伸びなくなります。また、下垂体茎が圧迫されると、大量に尿が出る尿崩症を起こし、さらに視床下部が圧迫されると、意識障害や認知症などが起きます。

頭蓋咽頭腫の原因

頭蓋咽頭腫の原因は、胎児のときに頭蓋咽頭管(下垂体になる胚細胞)の一部が消えずに残り、それが腫瘍になるためです。
  
腫瘍が発生する部位は脳下垂体茎付近で、上面には人間が生きていくために必要な機能をつかさどる視床下部という中枢があり、腫瘍の下には、視床下部の指令を各臓器に伝達する脳下垂体があります。腫瘍の前方には視神経と前大脳動脈、後ろ側面には動眼神経と後交通動脈(視床下部に血液を供給する血管)、後方には脳幹部と脳底動脈があります。
  
腫瘍が大きくなると、これらの神経や血管を圧迫し、上述のようにさまざまな障害が起きてきます。

頭蓋咽頭腫の予防/治療法

頭蓋咽頭腫は先天的なものであるため、予防はできず、発見後に治療を行うことになります。治療方法は、腫瘍の全摘出が第一選択です。腫瘍の位置や大きさによって、内視鏡を使った経鼻手術や開頭手術で腫瘍を取り除きます。周辺神経組織との癒着などのため、手術で腫瘍を全摘出できない場合は、放射線療法を併用することがあります。
  
頭蓋咽頭腫は良性の腫瘍で転移もありませんが、もっとも手術が難しい病気の一つです。また、手術に成功しても、視力障害やホルモン機能の低下など、何らかの後遺症をもたらすことが多い病気です。
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